どこへ乗りに行こうか 甲信越編

甲信越…山梨、長野、新潟はなかなか魅力的なところなのに、ある程度回っているのは長野県だけという何とももったいない私の過去の旅の記録だが、路線や列車もいろいろある。

山梨県では大月から出ている富士急行には乗ったことがない。終始富士山が見られるとあって人気の路線で、かつては新宿から中央本線の急行「かわぐち」が乗り入れていて、大月で急行「アルプス」や急行「かいじ」などと分割併結されて運転されていた。今も普通列車ながら数往復直通運転が行われている。

さらに小淵沢へ。ここから長野県の小諸を結ぶ小海線もいい。八ヶ岳を見ながらのんびり走るのがたまらない。途中の清里や野辺山は今も人気が高く、降りて散策をしてみたい。

中央本線の東半分、いわゆる中央東線は東京の高尾から先が変化に富んでいる。甲府盆地に広がるぶどうの棚、八ヶ岳や南アルプスのゴツゴツした山々、諏訪湖の穏やかな湖面など見ていて飽きない。そこを特急「あずさ」が超高速で駆け抜ける。ここは特急で通っても鈍行で行っても楽しく、何度乗ってもいいと思う路線だ。

また、しなの鉄道は北陸新幹線開業に伴ってできた第3セクター路線で、元は信越本線であった。当初は軽井沢-篠ノ井間だけであったが、新幹線が金沢に延伸されると長野-妙高高原間が同鉄道の北しなの線となった。また、そこから北、妙高高原-直江津間はえちごトキメキ鉄道に転換された。これらはいずれも新幹線開業前に追悼で乗っていて、第3セクター化されてからは乗ったことがなく、気になる存在になっている。でも、今やJRだの第3セクターだのとは言っていられなくなってきた。

冬になると、豪雪地帯を行く飯山線、只見線に乗りたい。11年前の豪雨の影響で長らく不通となっていた只見線だが、この10月1日より運転が再開される。この両線は学生時代の初乗り以来乗っていないので、初乗りの気持ちで乗りたい。

何度でも訪れたいと思うのは篠ノ井線の姨捨である。スイッチバックというだけでも面白いのに、その眼下に広がる善光寺平の風景に見入ってしまう。特急「しなの」や快速列車の通過待ちがあると数分停車してくれるので、そんなときはホームに下りて景色を堪能できる。私は昼間の景色しか見ていないが、夜景も絶景だというからそれもぜひ見てみたい。その先の中央本線の西半分、中央西線も木曽川に沿い、木造駅舎の残る魅力ある路線だ。並走ではないけど、伊那谷を天竜川に沿って走る飯田線も久しぶりに乗りたい。

長野県の私鉄だと上田交通、長野電鉄、アルピコ交通がある。

上田交通は数年前の台風で千曲川に架かる鉄橋が流され、去年全線で運転を再開した。それより前の平成29年に上田へ行ったとき、終点の別所温泉で泊まっている。そこには昔の電車が保存されており、駅舎も木造駅舎で雰囲気がある。何より街の鄙びた感じがよかった。

アルピコ交通は以前は松本電鉄と名乗っていたが、社名を変更している。この鉄道には学生の頃にサークルの旅行で上高地に2度行ったときに乗っている。たしか、そのときの1回は行きで大坂からの急行「ちくま」で松本に降りて乗り換えている。朝の4時台の乗り換えでよく起きられたものだと今でも感心する。新宿発の急行「アルプス」からも乗り継げたはずだ。が、「ちくま」も「アルプス」も今はない。上高地直通の夜行バスが当時も走っていて、今なお昼行便とともに現役だ。

長野電鉄は未だ乗ったことがない。長野-湯田中間を結ぶ路線で、終点には湯田中温泉がある。この鉄道は関東のJRや私鉄の車両を使用していて、変化に富んでいる。次の長野旅行ではぜひ乗ってみたい。

新潟県では地味ながら冬の米坂線に乗りたい。この路線も飯山線、只見線同様かなり雪が積もるから雪を楽しみながら列車に揺られたい。冬の雪ということであれば、平成26年に上越線に乗っている。線路の周りは除雪されているけど、ちょっと離れるとドカ雪で、数メートルの積雪は当たり前の世界が続く。これは冬の新潟県では越後平野以外ではどこででも見られる光景だ。

他にご無沙汰しているのが越後線や弥彦線といった新潟近郊の路線。いずれも学生のときの初乗りが最初で最後の乗車となっている。どこへ行くにせよ、その路線を目的としないとローカル線は忘れられがちになる。それのなのに、廃止と発表されると声高に反対を叫ぶ。じゃあ、乗れよと。それは私も含めてなんですが。

越後線で柏崎まで来たら、もう信越本線の青海川しかないですね。あの日本海を背にしたホームは圧巻。冬の荒れた日などはホームが波で洗われるほどだ。姨捨もそうだけど、ここも降りてホームで佇みたいと思う駅だ。ここから西へ信越本線~えきごトキメキ鉄道はほぼ海に沿うので富山県境辺りまで長い時間、迫力ある風景が見られる。あと、筒石駅は筒石トンネルの中にある駅で降りてみたい。親不知の鉄道、国道、高速道路が並走しながら、どちらが海に突き出るかを競うような線形を見るのも楽しい。

以上、甲信越の乗りたい路線や鉄道でした。ここもなかなか面白いところが多いです。あれもこれも欲張ると何日あっても足りない。それほど魅力的な地域だ。

今回はこんなところで。