下松発下松行き その4
周防花岡を出た列車は新幹線と並走しながら進んでいく。
なだらかな稜線が続く。
生野屋(いくのや)に着く。相対ホーム1面の停留所だが、この駅は国鉄の請願駅で民営化直前の1987(昭和62年)3月27日に開業した。で、4月1日には民営化されたからたった5日間だけ国鉄の駅だった。周辺は家が多く、周南や下松のベッドタウンとして機能しているのだろう。特に目を見張るようなものはなかった。
ここで新幹線の下をくぐり、岩徳線はいよいよ山に挑む。
そして、気が付けば高いところを走っている。2つのトンネルを抜けて、
レールが分かれて、
長いホームが現れる。草が生え放題なのは長い編成の列車が停まらないからだ。
周防久保に着く。生野屋から標高が20メートル余り高くなっている。まだこんなものではないだろう。
周防久保では下り列車との交換で4分停車するので、ちょっと降りてみる。写真のように乗り降りのある部分だけコンクリートで整備されている。
駅舎。ローカル線に木造駅舎、いいですね。周防久保は江戸時代の西国街道の久保宿があった歴史から岩徳線の主要駅になっている。列車交換が可能で2面2線の構造だ。貨物の取り扱いがあったけど、60年ほど前に廃止されている。周防久保は1934(昭和9)年に岩徳西線が周防花岡-高水間を延伸した際に生まれた駅で、ちょうど開業90年になる。でも、それを祝う横断幕などはなかった。
下りホームに建つ待合室。
岩国方面から下り列車が入ってくる。
同じキハ40系の2両編成だけど、こちらは片運転台のキハ47だった。では、列車に戻ることにしよう。
7時39分発車。
こちらも長いホームの端まで草が生えているけど、廃ホームではない。
黙って歴史を語る岩徳線、まだ半分も乗っていないのになかなか面白い。今回はこんなところで。
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