惜別 381系

というタイトルだからといって乗りましょう、撮りましょうを奨励しているわけではない。

昨日6月15日をもって最後の国鉄型特急車両の381系が「やくも」の仕業を最後に引退した。だから、昨日の岡山駅は大勢の人でいつも以上に混んでいたに違いない。そんな狂騒曲な中に行きたくなかったのと所用があったので、元から行く気はなかった。そのために事前に乗りに出掛けているので、そんな押し合いへし合いするであろうところへわざわざ行きはしない。

で、今回は私の乏しいコレクションの中からいくつか381系の写真を載せようと思う。「381系の」と書いたものの、多分私が撮ったのは「やくも」だけだろう。元祖の「しなの」はもちろん、「くろしお」にしても、10年ほど前に北近畿地区で振り子装置を外して走っていた列車群にしても、撮った記憶がない。これだけ日本全国あちこち回っている割にその程度かと思われそうだけど、タイミングもあるのだろう。

時代を遡っていきます。まずは今年2024(令和6)年の冬に乗った際に岡山駅で撮った国鉄色「やくも」。6両だった。

特急「やくも」

朝7時30分に出雲市を出た特急「やくも号」が岡山に入ってきた。貫通扉付きの先頭車だ。隣の115系が「やくも」を引き立てる。

381系の横顔

381系の横顔。国鉄型車両はやっぱりカッコいい。ボンネットならなおよい、などと言い出したらキリがないからやめておく。

特急「やくも」

一旦姫路方面へ引き上げて、下りホームに入ってきた。そして、折り返し「やくも9号」になって出雲市を目指す。これに乗った。私は非貫通車両のほうがすっきりしていて好きだ。

特急マークとヘッドマーク

ヘッドマークと国鉄特急のシンボルマーク。昨今のデジタル表示ではなく回転幕なのがいい。しかも、L特急のマークが残っている。この逆三角形のマークは秀逸なデザインだし、国鉄、JRは関係ないのだから、今の特急に付けてもいいのにと思う。

特急マークとヘッドマーク

貫通扉車両はというと逆三角形の特急マークは一度外されていて、塗装が施されているようだ。やけに大きい。

JNR マーク

運転席真下にある旧国鉄のJNRマーク。国鉄時代は銘板だった。それが民営化後は外され、今回の復刻塗装で再度お目見えしたが、これもおそらくシールだろう。まぁ、これは国鉄のマークだから外されて当然。

行先標

行先標。デジタル表示はきれいだけど、味がない。あ、別にグリーン車に乗ったわけではないです。

車内の様子。特急車両は明るくていい。

続いては1年近く前、2023(令和5)年4月に伯備線や木次線を乗りに行ったときに撮ったもの。

伯耆溝口にて

伯備線の普通列車に乗って伯耆溝口での交換待ちで岡山方面へ走りゆく「やくも16号」。パノラマグリーン車が印象的だ。

国鉄色やくも

米子から松江までワンポイントで乗った「やくも9号」。このときは青春18きっぷでの旅で、普通列車で目的地の松江まで行きたいところだったのだが「やくも」しかなく、やむを得ず乗ったのだ。で、結果的に国鉄色というラッキーに恵まれた。

やくも50周年

出雲市にて。

祝50周年

もう一つ。こちらはシブい。

381系とキハ40系

当地に泊まった翌日の朝。発車を待つ「やくも10号」。色はともかく車両でいえば国鉄時代の写真かと思うほど。左のキハ40系は当駅発米子行き普通列車。

ゆったりやくも

その前はちょっと飛んで2017(平成29)年の11月。これは乗ったのではなく、岡山から来た「やくも7号」で先頭はパノラマグリーン車だ。3連休で9両に増強されている。

381系とキハ40系

編成の反対側。右手にはキハ40系が停まっている。右の普通列車は13時10分発の当駅発米子行きなのだが、左の「やくも7号」の到着(13時07分)が遅れたためにそのあおりを喰らって発車できないでいるようだ。

連休対応増結

ただ、増結の方法は面白くはあるものの、美しくはない。編成美を考えれば先頭車を中間に組み込んではいけない。しかも、幌で繋がっていないので行き来もできない。

ゆったりやくも

このときは翌春に廃止になる三江線を追悼した後、出雲市から「やくも」に乗っている。乗ったのは「やくも20号」。行列ができているのが分かる。

ゆったりやくも

「ゆったりやくも」のロゴ。床が10センチほど高くなって眺望がいいのとシートピッチが若干長くなったことからこういう愛称が付けられたが、381系が振り子式車両で、カーブで酔う人が続出することから「ぐったりやくも」と揶揄されることとなる。紀勢本線の「くろしお」に使われていたときは「げろしお」などという不名誉な名前で呼ばれることもあった。でも、私は381系に乗って酔ったことは一度もない。

行先標

この行先標、4回目にしてきれいに撮れた。電光掲示はときどき何が書いてあるのか分からないくらい途切れ途切れに写ることがあるから嫌いだ。でも、コンデジではシャッタースピードが落とせない。

381系洗面所

たまたま撮っていた洗面所。清潔感があっていい。走行中に撮ったものなのでブレている。

やくも回送

岡山到着。ヘッドマークが「回送」に変わっている。

やくも新見

ベタな写真ばかりですみません。今度は2012(平成24)年9月の新見駅にて「やくも17号」。2日かけて三江線、木次線、芸備線と乗り継いで新見で出会った。入線シーンなのでブレている。

やくも新見

出雲市へと向かう。どちらもいい写真とはいいがたい。白く飛んでるし、ブレ気味だし…。

やくも新見

その前は2010(平成22)年9月の新見での「やくも18号」。これは岡山から津山、新見と回って岡山行きの普通列車を待っているときにやって来た。それにしても編成が短い。2012年も2010年もともに同じ9月で撮影したのは日曜日。でも、2012年は9月2日で、2010年は9月4日。夏休みと続いているかどうかが編成の長さに表れたのか?

やくも新見

パノラマグリーン車。このゆったりやくもの配色は嫌いではなかった。多分、国鉄のカラーリングに似ていたからだろうと思う。

これで終わりです。

やくも米子

私が撮った最古の「やくも」は2006(平成18)年1月の米子でのもの。画像が著しく悪いことをお許しください。ビデオカセットから静止画を撮ったもので、これが限界。奥にはEF64が見える。

やくも米子

かき集めてもこれだけ。案外少ないものだとあらためて思った。それでも18年で6回撮影している。

振り返ってみると紫の「スーパーやくも」色だけ撮っていなかった。今回、歴代の塗装が全部復活と言われても動かなったので仕方がないけど、こうして撮影履歴を今頃見るのだからそれほど興味がなかったということなのだろう。

これで当分、国鉄型車両で大騒ぎすることはなさそう。でも、騒ぎになる前に乗ったり撮ったりはやっておこうと思う。たとえば、四国ならキハ40系やキハ185系あたりだろう。オールロングシートのキハ54やキハ32といった国鉄型もあるけど、残念ながらあまり食指は動かない。

そういうわけで、今回は私の貧弱な381系コレクションでしたが、いかがでしたでしょうか?今回はこんなところで。