下松発下松行き その17
それでは駅の周辺を散策するとしよう。
錦町駅。ここに錦川鉄道の本社が入っている。
滝が有名なようだ。たしかに沿線にもいくつかあって、そこでは徐行をしてくれた。
岩国市錦町観光案内図…なので、合併してから据え付けられたものだ。
一方、この地図は合併前のものであり、もっといえば岩日線とあるから国鉄時代からのものだ。錦川鉄道に転換したのが昭和62年だから少なくとも37年前にはあった地図ということになる。環境庁とあるのも懐かしい。それがそのまま掲示されているというのは今はやりの昭和レトロだ。
ホームの背面から眺める。ツツジがこれからといった感じでちょっと花を咲かせている。これを見ると分かる通り、ホームが一段高く、駅舎は階段下という構造になっている。
1963-9の刻印。開業直前に完成したということだ。当時の期待はいかばかりだっただろうか。誰もここで終わりとは思わなかっただろう。
ホームに沿って歩いてきたのはこれを見るためであった。錦町と雙津峡温泉(そうづきょうおんせん)を結ぶとことこトレインだ。トレインといっても車だけど、これに乗ってトンネルを抜けて雙津峡温泉へと向かう。ちなみにこの車両は2001(平成13)年に当時の阿知須町で行われた「山口きらら博」で使われていたものだ。
とことこトレインの錦町駅。
待合室は広々としている。
トンネル。蛍光灯もなく真っ暗。これは岩日線を延長するべく建設が進められた岩日北線の路盤跡だ。工事が4割ほど進んだところで国鉄再建法により凍結、ストップしてしまった。でも、こうして一部完成した路盤やトンネルを使って観光用に供している。完成していれば、急行くらい走っていたかもしれないし、新岩国も今よりもう少し地位が上がっていたかもしれないとも思う。
トンネル側から錦町駅をのぞむ。
とことこトレインの時刻表。錦川鉄道を利用した人は少し安くなる。さっき大勢の人とすれ違いながらここへ来たけど、2便が到着したところだったようだ。
錦川鉄道の車止め。鉄路が延びなかったのは残念でならない。繋がっていれば、廃止などといった話は出ていなかったかもしれない。
駅に戻って、駅舎2階にある錦町鉄道資料館に入る。そこには錦川鉄道をイメージしたジオラマが展示されている。岩日線開通から現在に至るまでの写真が飾られている。
開通当時の写真。
当時の悲壮感漂う記事もあって喜びばかりでないことが分かる。
しかし、錦町から先も建設が進む。1980(昭和55)年に建設が中止されたけど、錦町までの路線は維持され、第三セクター錦川鉄道として今なお健在なのは嬉しい限りだ。
岩国-錦町の国鉄時代の行先標があった。錦町駅の読みは「にしきちょう」だけど、サボのローマ字では「にしきまち」となっている。この他にもたくさんの写真や資料が展示されていたので、ぜひ見てほしい。
資料に見入っているともうお昼が近い。列車の時間まであと40分しかなく、散策と食事の両方の時間は取れなくなった。で、散策を取った。
街道のような感じの道だけど、休日のせいか人気もなく寂しい。
こういう看板を見つけるとついカメラを向けてしまう。市内局番が1桁のままというのが往時を偲ばせてくれていい。この写真館はこの先にあるようだけど、そこまで行かなかった。
マンホールの蓋はアマゴが泳いでいる。調べてみると鳥はオシドリ、花は町の花・シャクナゲということだ。
駅横にあったレストランはこちらに移転しているカフェワールド広瀬。今駅にある店と系列なのだろうか?
繁栄橋。奥が錦町駅。手前が広瀬商店街でこちらへは行かなったことが悔やまれる。
反対側の六日市方面。この橋から向こうが広瀬商店街。なので、一番肝心なところを見られていないわけだ。この先の右に入ったところには「金雀」で有名な堀江酒場があるのをスルーしたのだから余計悔しい。
後ろ髪惹かれる思いでお昼を諦めて、今度は駅を通り越して錦川方面へ向かう。
錦川鉄道が唯一錦川を渡る錦川橋梁だ。意外だけど、おかげで行きは右手、帰りは左手の窓際に座っていれば、錦川が堪能できるので、いちいち移動しなくて済む。
こうしてみると、案外高いところを走っている。やはり、戦後の建設だけにしっかりした造りだ。
駅に戻ると発車15分ほど前になっていた。来たときは気が付かなかったけど、改札には金雀の看板広告があった。この次の15時32分発に乗れば、お昼も金雀もその他いろいろ見て回れるのだろうけど、帰りが遅くなるので予定通りの列車に乗る。
ホームには北河内で出会った2両編成が停まっている。このまま2両で折り返してくれたらいいのにと思ったら1両が切り離された。これは「こもれび号」。
切り離された後ろ1両。こちらは「きらめき号」。撮影を終えると前の車両付近に戻り、ドアが開くや、席を確保した。そうえいば、今の時間は全4両が1か所にいるなと。
帰りは希望通り進行方向左側の席が取れた。これは座席の枕カバーにあったとことこトレインの案内。
錦川鉄道の路線図。今度もまたビデオを後方展望にして撮影を開始、12時31分に発車する。
今回はこんなところで。
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