岡山小回り その20
え?20回も連載してまだ終わらないのかと言われそう。ダラダラとすみません。
13時40分、清音に着いた。ダイヤが乱れているのなら「やくも」はどうなるのだろう。
清音駅は1925(大正14)年に伯備南線の倉敷-宍粟(しさわ・現豪渓)間の開通とともに開業し、1928(昭和3)年に伯備線が全線開通して伯備線の駅となる。2面3線の駅で、駅舎側の3番線が伯備線下り列車、1番線が上り列車が使用し、真ん中の2番線は井原鉄道の列車が使っている。清音も例に漏れず、荷物も貨物も扱っていたけど、今や無人化されて、微かに遺構が残るのみとなっている。
1、2番線をのぞむ。奥に見える山は軽部山(右)と福山だろうか。
その1、2番線に移動して駅舎を撮る。趣きがあっていい。
新見方面。
倉敷方面。なぜ私は清音で降りて、このホームへ移動したのか?その答えは…
これ。本当は「やくも」が先に来るはずだったのが15分ほど遅れており、私が乗った列車が先発したので倉敷で撮る予定だったのが清音で撮ることとなった。動画の通り、お盆の多客期対策で引退した381系が動員されている。新型の273系は4両固定編成になっているのだが、4両のまま多客期に走らせたのでは大混雑は必至。そこで4両を2つつないだ8両編成を仕立てることにして、足りなくなった分を381系で補うという手に打って出た。だから、私などのような人間は381系を追って、こうして伯備線にやってくるわけだ。でも、こうして清音で381系に出会えたのは遅れがあったからで、これは感謝である。
左手でスマホ動画を撮りながら、右手でデジカメのシャッターを切る。そんな大変なことをしなくても動画から静止画を切り抜けばいいんですよね。もう少し引き付けてもよかったと反省…だから、動画からいいタイミングの静止画を切り抜けばいけるから。
清音での目的が終わったのと次の列車まで15分ほどあるので一旦外へ出る。
清音の駅舎。いいですね。撮ってはいないけど、駅前にはかつてはちょっとした「街」が形成されていたと思われる店舗跡がいくつか見られる。駅ができると人が集まり、店ができて、集落を形作っていく…昔はそういう流れだったんですよね。
横溝正史の金田一耕助シリーズの「本陣殺人事件」の舞台となったのがここ清音とその周辺。岡山には至る所にそういう場所があり、「聖地」めぐりをする人もいるかもしれない。
ご覧の通り、清音だけではなく岡山県内くまなく舞台になっている。小学生の頃、映画だと石坂浩二、テレビだと古谷一行のイメージが強く、怖いと思いながらも見ていた。あまりにリアルすぎてトラウマになりそうな描写が多々あった。今だと地上波では絶対規制にかかって放映されないと思われる。なので、近年のリメイクされた作品はたいへんマイルドになっている。
「やくも」遅れの原因はこれのようだ。でも、新見-新郷間で運転見合わせだとしたらさっき通過していった「やくも13号」のその後はどうなるのだろう。新見折り返しになるのか?お盆休みの真ん中あたりでまだマシだったと言えなくもない。
駅舎内の様子。案外広い。一角にキヨスクがあったのかもしれない。
ホームに戻って、次の列車に乗る。これも備中高梁行きで、始発は西大寺になっている。213系の2両編成だ。またしても先頭車改造車両だけど、こちらはオリジナルに寄せた顔になっているので、それほど違和感はない。
ちょうど出発しようとしたら新見方面から井原鉄道の総社発神辺行きが入ってきた。かろうじて神辺の文字が読める。
清音での滞在時間は30分弱だったけど、いろいろ見られてよかった。今回はこんなところで。
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