真冬の北海道

ニュースを見ていると北海道の大雪が報じられていた。新潟や青森の酸ヶ湯の積雪と比べると及ばないかもしれないけど、それでも讃岐に住む私からするととんでもない量の雪が降る。讃岐では数センチ積もれば大騒ぎになる。いったい、冬の北海道とはどんな感じなのか?

雪原

その北海道、初めて行ったのが1989(平成元)年の3月。高校を卒業した翌日から半月ほど行ってきた。以来、学生時代を中心にまとまった休みができると北海道を訪れている。通算13回かと思われる。で、いつ行ったのかと調べてみると、春3回、夏4回、秋4回、冬2回となっていて、初回の旅は春に入れている。冬の2回はいずれも2月だけど、ともに函館本線の砂原線や江差線の乗車だった。北海道の入り口のようなものなので、雪はたくさん積もっていたけど、困るということはなかった。天候が比較的落ち着いていたからだろう。

雪に埋もれる家屋

そうなると、タイトルの「真冬の北海道」というのは実は味わっていないことになる。89年の旅では初北海道ということで全線乗ってきたのだが(帰ってから調べてみると函館本線の砂原支線にだけ乗っていなかったことが判明して91年春に乗りに出掛けている)、3月なので流氷は終わっており、雪も思ったほどではなかったのだが、ひとつだけ鮮明に覚えているのが遠軽駅で降りたときにあまりの寒さで耳が痛くなって、聞こえづらくなったことだ。気温が低くなりすぎるとこんなことが起こるのかと驚いたものだ。が、これは3月のことなので、1月や2月だとどんなだろうと考えたら恐ろしい。

天の川

恐ろしいけど、本当の冬の北海道を経験していない身としてはぜひ行ってみたいと思うのだ。見たことがない流氷は国鉄時代なら稚内から網走までほぼ鉄道で繋がっていたから車窓からゆっくり見ることができただろう。が、今はすべて廃止され、代わりに運行されるようになったバスも区間によっては廃止されたところもある。10年くらい前までならバスですべて巡ることができた。が、悲観することはない。釧網本線の網走-知床斜里ではオホーツク海に沿って走るので、流氷に限らずオホーツク海の景色が楽しめる。オホーツク海というとつい先に述べた稚内から網走にかけての海岸線を思い浮かべるが、このように他にもあるのである。

あと、宗谷本線のラッセル車なんかも見てみたい。おまけに宗谷本線沿線は風が強いことでも知られるから、運休にならないギリギリで運行する風雪のすごさを列車に乗って経験してみたい。そんな日は日本海も大荒れだろう。白波と雪の利尻富士といったところだろうか。列車に乗っていると稚内に近づくにつれて、また稚内から宗谷岬に行く道中で風力発電の風車が増えていくのを見るにつけ、よほど強風の吹く場所なんだなと思う。NHKの「ブラタモリ」でも取り上げられたくらいだから余程なのだろう。

江差駅

これは季節には関係ないことだけど、これだけ北海道に行っているのに網走へはもう30年近くも訪れていない。釧路や稚内は何回か足を運んでいるのになぜか網走だけは縁がない。流氷を見るという目的があるので、石北本線→釧網本線というパターンで行くことになるだろう。網走が久しぶりなので釧網本線もずいぶんご無沙汰している。そういえば、根室にも同じくらい行っていないから、これもセットで訪れたい。

中須田駅

高速で爆走する特急「北斗」や「カムイ」が雪を巻き上げて外が見えなくなるとか、雪深い石北本線を鈍行でゆっくり巡るとか、凍てつく湖や真っ白な雪山、夏は一面青々とした新得の大カーブが冬にはどんな姿を見せるのか…まぁ一面の銀世界でしょうけど…駅舎やホームはどのくらい雪で埋もれるのかなどなど興味は尽きない。そんな冬の北海道をできれば全線普通列車で回りたい。日の短い冬のことなので、やろうと思ったら1週間から10日くらいかかるかもしれない。

一度でなくても何回かに分けてもいい。早く実現したいなと思う。今回はこんなところで(画像はすべて2014(平成26)年冬の江差線です)。