令和8年大相撲初場所 新番付
新番付はだいたい偶数月の最終月曜日、というか場所が始まる半月前の月曜日という認識でいる。来年初場所の場合は1月11日初日なので、今月29日発表と思っていた。が、22日の発表だった。正月休みがあるためらしい。
気を取り直してまいりましょう。
まず横綱から。東・豊昇龍、西・大の里となった。豊昇龍はまたしても優勝を逃し、横綱になって5場所経過したが、横綱での優勝は未だなし。相変わらず投げに頼る相撲を取っているので安定感に欠ける。それと弱気になるのか、変化に走ったりするのも気になる。いつも変化しやしないかヒヤヒヤしながら見ている。秋場所での変化で勝った相撲が批判を浴びたせいか、九州では見せなかったが、その代わり自身が変化を喰っていた。因果応報というのか?豊昇龍に限らず、変化は止めましょう。見ていて興醒めするから。西の大の里はまさかの脱臼で千秋楽に休場。どのくらい回復しているのだろうか。万全でないなら休場したっていい。先場所は中盤から精彩を欠いていた。そこへ追い打ちをかけるように怪我をしてしまった。巡業も休場したし、どの程度相撲が取れるのか気になる。
大関は東・琴櫻、西に新大関となる安青錦が並び、一人大関は3場所で解消した。同時に西の横綱が横綱大関となる状態も終了となる。琴櫻は春から3場所連続で8勝とクンロクよりひどい成績だったところへ秋に久々の二桁かと思われたが、右ひざの怪我で休場となり9勝止まり。それを受けての先場所は序盤は苦しんだものの、後半持ち直して8勝で勝ち越し。今場所はどんな状態なのだろう。やはり不安がある。一方の安青錦は小結関脇各ひと場所で大関に昇進した。日の出の勢いというのとも何だか違う。既にほぼ完成されていて、安定感もある。が、大型で突進するタイプが苦手のように見えるので、その辺の克服ができているかどうか。先場所負けた大の里、義ノ富士戦が試金石となりそう。
関脇は東・霧島、西・高安となった。霧島は先場所東2枚目で11勝を挙げて関脇に復帰した。この好調が毎場所続けばいいが、好調なのはだいたい「隔」場所なので大関に戻るのは厳しい。波が激しいのか、体調によるものなのか分からないけど、三役は維持できても大関は無理なような気がする。高安は先場所、西小結で8勝だったのに関脇に上がった。てっきり東に回って歴代過去最多タイの5場所連続小結かと思ったものだが、まさかの関脇であった。西関脇だった王鵬が7勝だったこともあるのだろう。高安の安定感がある相撲が上位を破ることも多々あるので楽しみだ。
小結は東・王鵬、西・若元春。王鵬は上述の通り、先場所西関脇で7勝だったため、小結に落ちた。小結は今回が初めてだ。新三役だった今年の春場所で西関脇で6勝だった。で、先場所はそれ以来の関脇で7勝とひとつ多く勝っている。三役にも慣れつつあるのだろうか。左からの厳しい攻めは見ていて圧力を感じる。今度こそ三役で勝ち越れるか。若元春は意外にも1年ぶりの三役だ。その間、4枚目まで落ちたが盛り返してきた。左おっつけからの攻めは脅威だ。久しぶりの三役で存在感を示してほしい。
平幕の上位。東西の筆頭はともに自己最高位となった一山本と義ノ富士だ。一山本は突っ張りが多いが、四つでも相撲が取れるので、上位陣にどのくらい通用するか楽しみだ。義ノ富士は大の里や安青錦を破った相撲を見ていると踏み込みが鋭い。それにあの体格からの圧力がものすごい。ここでも勝ち越すようだとこれからが楽しみだ。西3枚目の伯桜鵬あらため、伯乃富士は先場所東筆頭で跳ね返されて6勝止まりだった。ここ数場所は同じような地位にいるので、上位戦にも慣れてきたことだろう。そうなるとあのとにかく前へ出る相撲は脅威となる。今のところ、あと一歩が足りないことが多く、星を伸ばせていない。それだけ上位は甘くないということか。東4枚目・大栄翔はようやくここまで戻ってきた。突き押しの威力は健在だ。3場所ぶりの上位戦で盛り上げてくれそう。西4枚目の熱海富士は先場所勝ち越したものの、物足りない。右四つからの攻めはいいものを持っているけど、攻めきれずに負けることが多い。詰めを誤らなければもう少し星を上積みできるのではないか。3場所連続勝ち越しで西5枚目に上がってきた美ノ海は過去最高だった東4枚目に迫るところまで戻ってきた。地味ながら前さばきがよく、うまい相撲で勝つ印象だ。上位との対戦が何番か組まれるだろう。どんな相撲を取るか。
中位は東6枚目の平戸海は先場所東3枚目で4勝だったにもかかわらずこの程度の降下で済んだのはラッキーだ。中盤の7連敗が重くのしかかった。小さいながら正攻法な相撲で見ていて気持ちがいい。負けたときの悔しがりようはこちらまで悔しくなるほどだ。この相撲は変えずにいってほしい。西7枚目の藤ノ川もまた小さいながら真っ向勝負の相撲を取る点は平戸海と似ている。ただ、がむしゃらな平戸海に対して藤ノ川は低い姿勢で下から攻める相撲で対照的だ。この二人の対戦が楽しみだ。東9枚目の豪ノ山は先場所のようなねちっこい押し相撲で早く上に戻ってきてほしい。西9枚目の狼雅もまた美ノ海と同じく地味ながらいい相撲を取る力士である。まわしを切るなど小技がうまい。東10枚目の時疾風は名前の通り、速い相撲を取る。小兵ながら変化はしないので面白い。こういう力士に上位で活躍してほしい。西10枚目の琴勝峰は名古屋で優勝して以来、連続して負け越している。先場所は7勝5敗からの3連敗で負け越した。平幕優勝をするとその後が厳しい力士が多い。それを乗り越えると大関や横綱になるんだろうなと。昔から「平幕優勝力士は大成しない」とよく言われるが、大の里やかつての貴乃花など例外もいるけど、たいていは当てはまっていて、今もそれは生きているんだなと思わせる。
下位は東11枚目の千代翔馬はもうすっかりベテランの域だが、先場所は東17枚目で再入幕すると10勝して少し番付を戻した。深い懐からの投げは健在で、攻め込まれても土俵を割らない。これも懐の深さだろう。西11枚目の錦富士には期待したい。先場所久しぶりに幕内に戻ってきて9勝を挙げてここまで番付を戻した。錦富士はなかなか渋い相撲を取る、好きな力士の一人だが、1883(明治16)年から続く青森県出身の力士が幕内に名を連ねている偉業を継続させている点が素晴らしい。宝富士が引退し、九州場所で十両に落ちる尊富士と入れ替わりに戻ってきたのだが、東15枚目と残り3枚という6勝でギリギリ、5勝だと十両落ちになるような地位で9勝したので、ちょっとホッとしたものだ。でも、この地位ではまだ不安なのでもっと番付を上げてほしい。本人へのプレッシャーはものすごかったのだろう。東12枚目の翠富士は錦富士と同じ伊勢ヶ濱部屋。双方同じような体格で、あまり変化を用いないのも似ている。先場所は久々に得意の肩透かしが2番出て大いに沸かせたが、6勝止まり。翠富士の代名詞ともいえる肩透かしだが、みんな研究していて最近は滅多に見られなくなった。分かっていても決まるようにするには前へ出る圧力を強めないと無理だろう。西12枚目の阿炎はどうしたことか。連続2桁敗でここまで落ちた。相撲を見るとよく腕は出ているように見えるのだが、足が出ていないのか。突っ張りも威力を欠いているように見える。まだ力が衰えるような年齢ではないので奮起を期待したい。西13枚目・友風と西16枚目の欧勝海は7勝だったが、友風は初日から5連敗スタートから挽回して残りを7勝3敗として、残りはカレーライスだった。先場所新入幕を果たした欧勝海は初日に勝ったものの、2日目から8連敗で早々と負け越してしまった。が、そこから千秋楽までずっと勝ち続けて7勝にとどめた。
さて、今場所の新入幕は東西17枚目の朝白龍と羽出山(はつやま)の2人。ごめんなさい、十両の相撲を見ていないのでどんな相撲を取るのか知らないです。朝白龍は十両優勝を含む2場所で十両通過。初土俵から丸3年での入幕だ。また、羽出山は三段目付出しでスタート。こちらは4年近くで勝ち取った幕内の座だ。いずれも初見なのでどんな相撲を取るのか楽しみ。そして、今場所もう一つの注目は元大関朝乃山が東16枚目に戻ってきたことだ。大関→三段目→小結→三段目→再入幕というのは史上初のことらしい。最初の三段目は自らの不祥事が招いたことなので自業自得な面はあるけど、不屈の闘志は燃えていることだろう。朝乃山ももう31歳、怪我も多いから大関は無理でも前回のように三役までなら戻れるのではないか。
ところで先場所、十両も見なければと言っていたような気がするけど、見なかった。平日は十両から録画をしていて、会社から帰って見ている。が、十両も含めた3時間も見るのはしんどい。また十両から録っているのは横綱土俵入りや中入りの話を聞きたいというのが理由で、十両の取組を見るためではなかったりする。それならせめて土日くらいは見ようよ。
最後にちょっと気になるのが伯乃富士をはじめとする伊勢ケ濱部屋の力士のうち、元白鵬の宮城野部屋から移籍してきた力士の9名が今場所改名したことだ。でも、元幕内の炎鵬はそのままだ。その改名だが、「鵬」の文字を外して「富士」を付けている。伊勢ケ濱の照ノ富士と元宮城野の白鵬、お互い口では「(確執は)何もない」と言いながら、こういう動きがあると変な憶測を呼んでしまいそうで、端から見ていても気持ちのいいものではない。あまりに露骨だ。もしそうでないというのであれば、四股名はそのままでいいではないかと思う。これでは「ああ、そうですか」とはならない。本人たちは納得して改名したのだろうか。
最後は変な話になりましたが、話題が豊富な場所なので楽しみだ。今回はこんなところで。




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