四国小回り その7
列車が去ると静かになった。蔵本駅は佐古から数えて2つ目の駅。穴吹までの駅で2つは途中下車すると決めていたとはいえ、まさかこんな早い段階で降りるとは自分でも思わなかった。その6でも書いた通り、前から気になっていたのが大きいのかもしれない。
駅舎側の1番線。上屋を支える柱には古レールが使われている。
阿波池田方面をのぞむ。気になることの一つが向かいの2番線のホームの幅が広い点だ。2面3線かなと思うほどだけど、上屋はこちら側にしかないので、昔から2面2線なのだろう。
徳島方面をのぞむ。2番線の向こうからレールが延びてきて2番線のレールと合流している。こうしてみると、やっぱり3番線があったのかと思ってしまうけど、どうやら側線のようだ。それにしても、ホームの有効長が長い。
この2つのホームを結んでいるのは明治45年製の跨線橋だ。蔵本駅の開業は1899年(明治32年)なので、当初は構内踏切で結ばれていたのだろう。
柱の意匠がいかにも戦前を思わせる。そこには「明治四十五年七月 横河橋梁製作所 鉄道院」と刻まれている。
改札。無人駅だ。
元切符売り場。正面に見える白い板のあるところには自動券売機でもあったのだろうか。
キヨスクだったらしい場所は塾になっている。入居者募集よりもずっといい。
待合室。四国独立リーグの徳島インディゴソックスの選手の写真が飾られている。これは近くの蔵本公園野球場で試合が行われるからだ。
蔵本駅舎。昔の駅らしく広く、堂々としている。こういう昔からある駅が今なおかつての姿を留めているのを見ると嬉しくなる。まるで、旧家を見るようだ。なぜ蔵本は駅舎も構内も広いのか。これは戦前、陸軍の基地が置かれていたためで、蔵本公園はまさにその跡地なのだ。ホームが長いのも物資を輸送するのに不可欠だったのだろう。
逆サイドから。そういえば、この先の鴨島もこんな感じの駅舎だった。共通しているのは駅舎の幅に合わせて階段も横に長い点だ。
駅を出るのに10分もかかってしまった。駅で撮影をするといつもこうなってしまう。今回はこんなところで。
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません