記録づくめのプロ野球

2022年5月28日

3月25日に始まった今年のプロ野球。まだ開幕して半月ほどだが、いろいろな記録が生まれている。

まずは今日4月10日。千葉ロッテマリーンズの佐々木郎希投手がオリックスバッファローズ相手に完全試合を達成した。平成6年に読売巨人軍の槙原寛己が達成して以来、実に28年ぶりの快挙である。パ・リーグでは昭和53年に阪急ブレーブスの今井雄太郎以来、43年ぶり。球団からは毎日オリオンズ、大毎オリオンズ、ロッテオリオンズを通じて昭和48年の八木沢壮六以来、49年ぶり2人目である。

それだけではない。史上最年少記録(20歳5か月)であり、新記録となる13連続奪三振やタイ記録の計19奪三振とうオマケつき。連続奪三振はこれまで昭和32年に阪急の梶本隆夫、翌33年に東映フライヤーズの土橋正幸が記録した9者連続が最高だったので、これを64年ぶりに大きく塗り替えることとなった。奪三振19は平成7年のオリックスブルーウェーブの野田浩司に並ぶ記録である。パ・リーグの方ばかりですね。これは参考扱いになるかもしれないけど、昭和46年のオールスターゲーム第1戦で阪神タイガースの江夏豊が9者連続奪三振を記録している。

同じパ・リーグから。昨日4月9日にオリックスの山本由伸が昨年から続く自身の連勝記録を18に伸ばした。これはプロ野球記録ではないけど、球団新記録である。阪急ブレーブス時代の昭和45~46年にかけて17連勝した足立光宏の記録を抜いたのだ。

足立といえば、長く阪急のエースとして活躍し、昭和40年代の西本阪急の黄金時代の一翼を担った。そのシンカーは一級品で、のちにエースとなる山田久志が受け継いだ。その山田も昭和50年代の4連覇を含む5回のリーグ優勝、3年連続日本一に貢献して、上田阪急を支えた。オリックスは長く低迷期が続いたが、山本は去年25年ぶりのリーグ優勝に貢献した。山本にはそういう人たちと比肩できる活躍を期待したい。

足立の話でもうひとつ。これはもう20年以上も前のことだが、ラジオを聴いていると大ベテランになっていた頃の足立の話題になり、普段公式戦では大して勝たないのに、日本シリーズに出ると1、2勝してしまうんですよ、とパーソナリティーが面白おかしく語っていたのが今でも記憶に残っている。実際、日本シリーズ通算9勝(5敗)は歴代3位の記録である。

ちなみにプロ野球の投手の連勝記録は平成24~25年にかけての東北楽天ゴールデンイーグルスの田中将大の28連勝である。これは多分破られないに違いない。星野仙一監督の元、シーズン無敗の24勝(1セーブ)を挙げ、日本シリーズでは巨人を下ろして日本一になった年だ。

最後に嬉しくない記録。阪神タイガースが開幕9連敗を喫した。ヤクルトスワローズが昭和54年に記録した8連敗(1分けを挟む)を更新した。広岡達郎監督で日本一になった翌年のことだから当時は驚きも大きかっただろう。日本記録は同じ昭和54年の西武ライオンズの12連敗(2分けを挟む)。昭和47年に西鉄ライオンズが身売りしてから太平洋クラブライオンズ、クラウンライターライオンズと転々としたのちの西武初年度であったから仕方がない面はある。でも、翌年からは成績も安定し、のちに常勝軍団になったのは周知の通り。

これには「暗黒時代」という言葉が頭をよぎる阪神ファンもいるという。阪神の暗黒時代は諸説あるが、昭和60年に初の日本一になった翌年から平成14年に星野監督が就任する前年までの17年の間に最下位が10回、日本一の翌年の昭和61年とヤクルトと優勝を争った平成4年を除いてあとはBクラスであった時期を指す。それ以降、昨年までの20シーズンでBクラスが6回、うち最下位は1回と比較的安定していたから、余計嫌な記憶が蘇るのではないか。

今年のシーズンはまだ始まったばかりだから何とも言えないけど、開幕から5連敗以上したチームはそのまま下位に低迷することがほとんどだ。稀に優勝したり、Aクラスに食い込んだりするチームはあるけど、やはり稀である。矢野監督が2月のキャンプが始まる前日に今シーズン限りでの退任を発表したのが影響しているのか、影響していなくても、この連敗でチームのモチベーションが下がって崩壊するかもしれない。どちらにしても、いい状況ではない。少しでも浮上できるよう頑張ってほしいと思う。借金独り占めなど今だけでいい。今後2勝1敗ペースは厳しいかもしれないけど、3勝2敗ペースが2か月続けられればオールスターまでの5割が見えてくるだろう。

ホント、シーズンはまだ始まったばかり。各チームとも頑張って盛り上げてほしい。今日はこの辺で。