四国小回り その8
これから次の列車が来るまで、周辺を散策しようと思う。
蔵本駅前のロータリー。駅の目の前にホテルがあり、ビジネスにはうってつけだ。
その一角に「蔵清水」という湧き水がある。これは近くを流れる鮎喰(あくい)川の伏流水を水源としていて、一帯は各家庭がくらしの泉、つまり井戸を持っていたという。この地に陸軍の基地ができ、昭和14年には駅前にあった12戸が駅前整備のために立ち退きを余儀なくされ、くらしの泉=暮らし水が失われた。それを復活させたのがこの蔵清水だという。
このモニュメントは「調和と発展」という。
こうして立っているだけでも水を汲みにやってくる。私も飲んでみたけど、まろやかで柔らかかった。
駅前通りを歩く。休みの日の朝なので、人気はない。そこに見えている喫茶店が開いていたので入ってもよかったけど、もう少し先へ行ってみる。駅前地図の写真を撮ったものの、撮っただけで何があるのかよく見ないまま歩き出したので、何があるのか分からない。正に行き当たりばったり。
かつては賑わったであろう複合商業施設跡。今は調剤薬局や焼き肉店が入っている。
ここから西に入ったところに地福寺という真言宗のお寺があった。ちょっと中に入ってみる。
龍の彫刻があり、
真言宗だけに空海の銅像もある。修行大師と書かれている。
本尊は地蔵菩薩だけど、これは違うだろう。石に彫られている文字を読むと大日如来と読めなくもない。
最後の女性天皇・明正天皇ゆかりの桜。桜の季節からだいぶ経つので青々としている。が、どういう所縁なのかは分からない。
本堂。
なぜか鳥居があり、
その先には池の中にある祠へ渡れるように赤い橋が架けられている。明治までは一体であった八坂神社の末社か何かなのだろうか。
その隣には八坂神社がある。大鳥居が国道192号に面して立っている。左右がわずかに切れている。入れたつもりだったのに。
八坂神社の扁額。
参道。
八坂神社の木瓜の紋。
手水舎。タオルが掛かっているのが気になるけど、いいだろう。
大己貴神社。大己貴命(おおなむちのみこと)すなわち大国主命を祀っている。
大きな銀杏の木がある。徳島市の指定保存樹木とある。
拝殿。由緒によると正式には蔵本八坂神社という。祭神は須佐之男命(すさのおのみこと)、櫛稲田姫命(くしなだひめ)、御子八柱神で、災難、厄除けの神様として親しまれている。最後の御子八柱神はインターネットで調べると八柱御子神(やはしらのみこがみ)ばかりが出てきて、どちらも同じ神様だろうと思う。
1544年(天文13年)にこの地方の豪族であった小倉美濃守が病にかかり、自ら京都の八坂神社へ赴き、祈祷の末これが治った。美濃守はこれに感謝し、分霊を賜り、現在の島田町に創建された。1579年(天正7年)の大洪水によりここに漂着、以後、この地の守護神として遷座した。今でも毎年7月に行われる祇園祭はたいへんな賑わいを見せるという。
鳳凰や龍の彫刻が美しい。
神馬がいる…といっても木馬だけど。
本殿。
八坂神社ともなると、周りにいろいろな神社が囲んでいる。大国主命の息子である事代主(ことしろぬし)を祀る事代主神社。
由加神社。倉敷の由加神社の末社。
山神社(山の神様)、道祖神社(夫婦の神様)、歯神社(歯の神様)。
赤い鳥居は稲荷神社。これは京都の伏見稲荷大社だろう。これはもちろん商売繁盛の神様だ。
若宮神社(家内安全。国家安泰)、荒神社(台所の神様、地域の神様)、天神社(祈願達成、合格祈願)。梅の紋が見える。
そろそろ駅へ戻ろうかと思う。さっき見つけた駅前の喫茶店にでも入るつもりでいたけど、時間がなさそうなので、まっすぐ駅へ向かう。
今回はこんなところで。
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