四国小回り その21
13時51分、坪尻に着いた。ここで列車待避があれば数分停まるので、ホームに降りて通過列車を眺めることもできるのだけど、残念ながら待避はなし。乗降が終わるとすぐ発車する。観光列車「四国まんなか千年ものがたり」のロゴが見える。
この先、行き止まり。右のトンネルは坪尻トンネルで多度津方面へと向かう。こちらでは「千年ものがたり」の幟がはためいている。ホームの有効長は4両といったところだろうか。今ならこれでも十分足りるけど、国鉄時代は長大編成が多かったから本線にはみ出さなかったのだろうか?当時は優等列車の待避もあったようだから、この長さに収まっていたとはとても思えないのだが。
運転士が後ろのほうへ歩いていくのを付いていく。運転席に座ると今度は後ろ向きに走り出す。先の写真と合わせて見ると、左の本線はかなりの下り勾配であることが分かる。これだけの勾配ではスイッチバックを設けないと駅や信号場は造れない。
動き出した。時刻表では13時52分発となっているけど、3分ほど停まって13時55分頃の発車となる。でも、3分停まったからといって、ドアは客扱いが終われば閉めるので、やっぱりホームには降りられなかった。
この踏切、誰が渡るのだろう。ちょっと興味がある。
本線(右)を横切る形でもう一つの側線に入る。
こちらもこの高低差。こちら側なら長い編成の待避はできそうだ。一旦高知方面へ戻り、列車を止めると再び運転士は前に戻る。意外にも坪尻駅側もこちらの引き込み線もPC枕木が使われている。
運転士の準備が整って再び多度津方面へ動き出す。坪尻に到着して約7分後のことだった。駅を出たのが3分ほど遅れているので所定の時刻通りではないのだろう。
上の画像にも写っているけど、右手の川に小さな滝が落ちている。これは初めて気が付いた。この川は鮎苦谷川で、「あいくるしだにがわ」と読む。鮎がさかのぼるのに苦労するような早瀬があることからこの名が付いた。でも、それはこの滝ではなく、吉野川と合流するもっと下流のことだそうだ。で、この滝はというと、実は土讃線及び坪尻駅を敷設するにあたり、この鮎苦谷川の付け替えを行っていて、駅(当時は信号場)の前後に新たな水路をトンネルを通すことで確保している。トンネルから落ちる水、それがこの滝の正体だ。だから、この滝に名前はない。
坪尻駅、さようなら。名残を惜しむようにこちら側も駅にいる人もお互いが手を振り合っていた。1000形は25‰程度の勾配など辛くはないようで、本線に入ると一気に加速している。
坪尻トンネルに入り、
県境の猪鼻トンネルに入る。レンガ積みというのが嬉しい。3,845メートルとけっこう長い。讃岐山脈を貫くのだから、このくらいの長さになるのだろう。大坂峠の県境トンネルが一瞬で抜けたのとは対照的だ。いかにも県境を越えている感じがしていい。
香川県側に入るともう1本トンネルを抜けて右に左にウネウネ走る。
急に開けたところに出るとレールが分岐する。
2面3線の駅が見えてきた。
そして14時06分頃、讃岐財田に着く。ついに香川県に戻ってきた。ここで列車待ち合わせのため、9分ほど停車する。
こうして、猪鼻峠を越えるとあとはラストスパート・・・と思われる。ホントに?今回はこんなところで。
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