長距離鈍行2022
前回は長距離特急のランキングを書いた。特急は巻頭に特急列車のページがあるので、それで目星を付けて調べると割と簡単に記事が書けた。でも、普通列車となるとどうだろう。これも昨今の傾向からある程度は絞ることができると思うからしらみつぶしに全線のページを繰ることはなさそうである。たとえば、内房線や外房線を調べてもそもそもの営業キロが100キロちょっとなので始めから除外できる。とはいえ、特急ほど簡単にはいかないだろう。
普通列車は少し前までは岡山-下関間387.4キロ、岡山-新山口間315.8キロ、滝川-釧路間308.4キロというのがあった。いずれもかなりの時間を列車内で過ごすことになるけど、ただ列車に揺られてボーっとしているだけというのは退屈なようで、まったくそんなことはなかった。車窓風景にくぎ付けになるので退屈になる暇がないのだ。
普通列車ではないけど、今はなき、寝台特急「トワイライトエクスプレス」のサロンカーで数時間何もせずに過ごしたことがある。あういう列車はもうどこにもない。今流行りのクルージングトレインならできるのだろうけど、庶民には手が届かない。
さて現在、普通列車における長距離列車というのは一体どのくらいの距離を走っているのだろうか。先日書いた記事によると特急は300キロ台が主流を占めていたので、200キロ台がせいぜいだろう。上の3列車がないので、300キロ台は皆無と思われる。
順位 | 列車番号 | 区間 | 距離 |
1 | 3207M~3407M(土休日) 3323M~3523M | 敦賀-米原-播州赤穂 | 275.5 |
2 | 3420M~3220M | 上郡-近江塩津 | 264.6 |
3 | 3291M~3491M 3303M~3503M 3315M~3515M(平日と土休日で別ダイヤ) | 近江塩津-米原-播州赤穂 | 261.0 |
4 | 321D~4323D~4325D | 旭川-稚内 | 259.4 |
5 | 3331M~3531M 3506M~3306M(土休日) | 敦賀-米原-網干 | 254.6 |
6 | 3432M~3232M 3440M~3240M(土休日) | 網干-米原-近江塩津 | 250.5 |
7 | 240M | 仙台-水戸 | 246.0 |
8 | 441M | 高尾-長野 | 245.0 |
9 | 3209M~3409M 3211M~3411M(土休日) 3213M~3413M(平日) 3331M~3531M(平日) 716T~4716T 3440M~3220M 3448M~3248M 3456M~3256M 3464M~3264M 3472M~3272M | 敦賀-米原-姫路 | 244.3 |
10 | 3283M~3483M(土休日) 3408M~3208M(平日) | 近江塩津-米原-網干 | 240.1 |
こういうラインナップになりました。漏れや間違いがあればご指摘ください。ご覧の通り、300キロを超える列車はなかった。
ほとんどが関西圏の新快速(列車番号が3000番台の列車)絡みである。敦賀-姫路間の列車も米原経由と湖西線経由では19.5キロの差があり、こういう僅差の争いにおいては大きな差となっていて、湖西線経由列車は1本もかすっていない。
詳細は割愛するけど、山陽本線では以下、長浜-播州赤穂間237.3キロ、敦賀-湖西線-網干間235.1キロ、米原-上郡間233.2キロと続く。220キロ台となるともっと増えるので、これ以上は書きません。
他の区間では上野東京ラインの最長距離が宇都宮-沼津間で228.0キロ、高崎線系統だと前橋-熱海間で224.2キロとなる。かつて黒磯-熱海間というのが1往復だけあり、267.9キロと上位に食い込む距離だったのだが、この春のダイヤ改正でなくなってしまった。湘南新宿ラインは前橋-小田原間198.7キロが最長で200キロを切っている。
飯田線では上諏訪-豊橋間が223.2キロというのがある。上下合わせて3本あるうち、運転時間が最も長いのは上りの544Mで、9時22分に出て16時16分に到着と実に6時間54分もかかっている。この列車がJRの全普通列車中最長運転時間となっている。この列車の表定速度は32.3キロとのんびりしたものである。学生時代、同じ区間の列車に豊橋から乗ったことがある。ただただ車窓風景を眺めるだけだったのを覚えている。でも、なかなか楽しめた。
この列車でもう一つ気になるのが、豊橋に着いた後、16時42分発の上諏訪行きというのがある。もしかすると、同じ車両がそのまま取って返しているのかなと思ったりする。上諏訪は東日本の駅で、豊橋は東海の駅だからというのが理由なのだが、実際はどうなのだろう。
長距離鈍行ということで、山陰本線にも期待を寄せていたけど、一番長くて米子-益田間の191.5キロにすぎない。あと、日豊本線では延岡-鹿児島中央間が209.6キロと200キロを超えるのがやっと。佐世保線・長崎本線~鹿児島本線の早岐・肥前大浦-門司港間が前者186.3キロ、後者182.4キロとなっている。佐世保線の列車はともかく長崎本線の列車が長崎から出ていれば、200キロをゆうに超えていたので、面白い存在になり得た。四国では高松-松山間で194.4キロが最高。紀勢本線は亀山-新宮間の180.2キロ、羽越本線だと新津-酒田間に166.9キロ、奥羽本線には秋田-青森間185.8キロというのがある。JRではないけど、三陸鉄道の全線走破の列車があり、これは163.0キロである。でも、これくらいの距離では関西圏でランクから漏れた列車にも及ばない。
前回、特急列車の長距離ランキングの記事を出したけど、普通列車での全線完乗の兼ね合いから乗るのは難しいかもしれないと書いた。でも、長距離普通列車、それも各駅停車なら方針に反しないから、この中のどれかに乗ることができるだろう。一つでも多く乗りたいものである。
今回はこんなところで。
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