下松発下松行き その9

高森の駅に戻って次の列車を待つ。

獺祭工場

先ほど降りたときにさんざん撮影していたくせにこの工場の存在は気が付かなかった。美味しいですよね、獺祭

列車待ちの人

1番線にも人がいるということは徳山行きも来るということだ。

岩国行き

ほどなくしてやって来たのはキハ40の1両編成だった。今日はもとより休日ではあるけど、普段ならもう通勤通学の時間帯も終わり、乗客も少なくなってくる。だからこその1両なのだけど、このあと3時間の空白があるので、もとより利用客が少ないのだろう。そういうわけなのかどうかは分からないけど、既に大勢の人が乗っていて安易に移動ができない状態だ。ロングシートしか空いていないかったので仕方なくそこへ腰を下ろす。

徳山行き

徳山行きも入ってきた。そうして、9時51分に発車する。

長いホーム

主要駅だからホームも長い。

東川

島田川の支流である東川を渡る。

玖珂駅

玖珂ではホームに大勢の人。降りるのはわずかなのに乗る人が増えたのでなんだか息苦しい。玖珂は1934(昭和9)年の岩国-櫛ヶ浜間全通時に誕生した駅で2面3線の構造を持つ駅だった。むろん、貨物や荷物も取り扱っていて岩徳線の中では主要駅の一つと思われるのだが、今では駅舎側のホームのみの1面1線しか使われていない。こういう凋落ぶりを見ると周防高森はまだいいほうだ。

駅舎の壁に「山賊めぐり」という大きな看板が見える。海沿いの国道188号の岩国郊外に山賊焼という鳥を食べさせてくれる「いろり山賊」という野趣あふれる店があり、2度行ったことがある。鳥の足を焼いたもので、香ばしく、ボリュームがあり、食べ応えがあった。長野の松本にも同じ名前の食べ物があり、似て非なるものだけどどちらも美味しく、甲乙つけがたい。

街を見下ろす

列車は高いところを走る。これから欽明路峠に差し掛かるからだ。

田んぼ

田んぼが広がる。

9時01分、欽明路着。この駅は1990(平成2)年に生まれた請願駅で、岩徳線の中では一番新しい駅だ。そういう経緯だけに構造は1面1線とシンプルだ。この構造はこれまで見てきた請願駅の生野屋と大河内と同じだ。でも、残念ながら今回の岩徳線乗車で唯一撮影ができなかった。というのは、私は進行方向右側に座っていたのだが、欽明路駅ののりばは左側にあったためだ。身動きが取れない以上、指をくわえて眺めるしかなかった。

欽明路を出た列車は間もなく長い欽明路トンネルに入る。長さは3,117メートルとなかなか長い。だから、次の柱野との間の所要時間は10~12分となっている。

欽明路道路

トンネルを抜けると現れたのは通称「欽明路道路」の県道15号だ。この先は岩国。

御庄川

御庄川の細い流れに寄り添う。

柱野に着く。島式ホームで交換設備は残されている。山中にひっそり佇む柱野もまた全通時に開業した駅だ。幅の広い長いホームが往時を偲ばせるが、せいぜい真ん中の3両分ほどのみが有効?で、そこからそれぞれホームの端へはフェンスで行く手を阻まれ、行けなくしてある。

ホームにある待合室。小ぢんまりしてかわいらしい。

川西駅駅名標

そうして9時17分、錦川鉄道との分岐駅である川西に着いた。柱野との間では1枚も写真を撮っていなかった。

岩国へ行かずにここで降りる。今回はこんなところで。