むろととうずしお その11(特急うずしお・高松-岡山)

高松ではわずか2分の停車後、9時33分に出る。で、これから逆向きで宇多津へ向かう。高松駅が頭端式のホームなので、そうせざるを得ない。
岡山発着の「うずしお」は単独で岡山を目指さず、宇多津-岡山間を特急「南風」と併結して運行される。「南風」だって3両編成があっても単独で岡山を発着しているのだから別に「うずしお」も単独運行でいいのにと思う。そのせいで、宇多津を通らない快速「マリンライナー」より所要時間が平均で5~6分余計にかかっている。2700系の性能からすると「マリンライナー」に引けを取らない所要時間で走れるだろうにもったいないことだ。
が、それも3月の改正で終了となる。徳島方面からの乗客は「マリンライナー」への乗り換えでいいということなのだろう。乗り換えがないほうが便利だけど、「うずしお」だと特急料金がかかるし、現場の運用上も髙松-徳島に限定すれば効率がよくなるという判断なのかもしれない。ともあれ、なくなるのは寂しい。

高松駅を後にする。後ろ向きと言われても、写真だけ見せられても分かりませんね。

髙松運転所の横を通り、

香東川を渡る。向こうの線路は上り線。

香西を通過して、今度は本津川を渡る。

間もなくコンテナの山が見えてくる。高松貨物ターミナル駅、愛称は四国桃太郎貨物駅だ。これは次の駅、鬼無が桃太郎伝説ゆかりの地であることに由来する。青い機関車は直流機の主力であるEF210。

勝賀山。

端岡で琴平行き普通列車を追い抜き、特急「いしづち8号」と交換。8600系だ。

国分を通過して左にカーブすると蓮光寺山(左)と猪尻山を見ながら走る。

讃岐府中を通過してすぐ綾川を渡る。

鴨川を通過してのカーブで坂出へ向かう。左から五夜嶽(ごやだけ)、真ん中のへこんでいるのが全然烏帽子に見えない烏帽子山、そして蓮光寺山。

八十場を過ぎ、高架に入って、坂出を通過する。坂出を通過する列車はこの岡山発着の「うずしお」のみだ。減速していることもあって、やっぱり分かりにくい。

坂出の街を抜けて宇多津手前の三角線に入ると、いつもなら向こうの瀬戸大橋線へ直接入るのだけど、予讃線のレールをそのまま走る。

このあと、宇多津で再度方向転換して写真左に見える高架を走る。三角形の二辺を走るから所要時間も当然延びてしまう。

9時50分、宇多津に着く。宇多津では「南風」との併結作業のため8分停車する。その「南風」は9時55分に到着する。高松からわずか17分、評定速度91.4キロという韋駄天ぶりだ。

ホームの反対側を見ると週末に行われる琴平への延長運転をしてきた「サンライズ瀬戸」が役目を終えて高松へ回送されていた。危うく撮り逃すところだった。
「南風」との併結作業。なぜこんなタイトルなのかは最後まで見れば分かります。

9時58分、2回目の方向転換を終えて、元の向きに走り出す。大束川(だいそくがわ)を渡って瀬戸大橋に入るのは普段ないから新鮮だ。左の島々は丸亀の沖に浮かぶ塩飽(しわく)諸島だ。

瀬戸大橋記念公園。白い塔は瀬戸大橋タワー。

与島サービスエリア。正面右に見えるのは本島。塩飽諸島では一番大きい島だ。左は牛島。

早くも下津井。下津井トンネルで児島へ。

児島で乗務員がJR四国から西日本へ交代して、10時12分発車。

児島を出てすぐ小田川を渡る。

倉敷川。美観地区を流れているあの川だ。

岡山でも田起こしが行われている。

「マリンライナー」が停車する茶屋町も早島も妹尾も通過して笹ヶ瀬川を渡る。渡ってきた川はどれも鏡のごとくあるものをきれいに映していた。岡山も風がないようだ。

備前西市で快速「マリンライナー21号」の待避で運転停車する。発車するとすぐ高架に入る。

大元を通過して、岡山機関区を見る。右の高架は新幹線だ。

そうして10時33分、高松から1時間ジャスト、徳島から2時間08分で岡山に到着した。
高松を跨ぎ、2回も方向転換をし、坂出を通過するなど何かと面白い列車であった。なくなるのは本当に寂しいけど、仕方がない。多分、復活もないのだろう。このように乗りたいと思ったらためらわず乗ったほうがいい。そういう列車や路線はあちこちにあるからホント、乗っておこうと思う。
今回はこんなところで。
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