津島神社 その1

2023年8月7日

8月5日の午後、思い立って三豊市にある津島神社へ行ってきた。「四国小回り」は5月5日だったからもう3ヶ月も前のことになる。なのに、まだ完結していないとは。

それはさておき、津島神社では毎年8月4、5日の2日間、夏季例大祭が行われる。近頃はそれまで日を固定して行っていた祭りを土日に合わせる傾向にあるけど、ここは変わらず同じ日で続けている。伝統、神事を重んじるか、興行を重視するか悩ましいところではある。この津島神社は子供の健康と成長の守り神として信仰が厚く、全国から家族連れをはじめとした参拝客が大勢訪れるという。この例大祭の2日間だけでのべ5万人にもなるとのことだ。

ところで、津島神社は初めてではない。この地に国鉄時代から例大祭のときだけ営業する臨時駅・津島ノ宮駅を設けており、どんな駅だろうと通りかかった際に2回訪れたことがある。さらに約50年前に私自身が両親に連れられてお参りに来たと聞かされており、今回が4回目となる。母の実家が多度津にあり、近いということもあったのだろう。もっとも、4回目といっても初めてのときのことはもちろん覚えていない。もう私自身の子供もすっかり大きくなって、健康や成長を願うという歳でもなくなったので、そういうのとは関係なくお参りに来た次第であります。

津島ノ宮行き乗車券

津島神社をお参りするもう一つの目的は津島ノ宮駅を利用することだ。いずれと思っていながら、休みでも用事があったり、そもそも曜日が合わなかったりで実現しなかったけど、今日は午後から暇だったから行ってみることにした。高松駅のみどりの窓口で切符を求めると「近距離は券売機で買ってくれ」などと野暮なことは言わず、マルスで印字された高松→津島ノ宮の切符を出してくれた。券売機で買うと高松から〇円区間としか書かれていない。それではせっかく津島ノ宮へ行った意味がないので、窓口で買った次第。これは記念にいただきました。

サンポート南風リレー号

乗ったのは高松13時13分発の快速「サンポート南風リレー号」で、7000系の2両編成だ。これは松山行きで坂出まで快速で、あとは各駅に停まる。松山行きというのにたいへん惹かれるのだけど、今回は我慢。乗った時点で席が埋まっており、立ち客もチラホラ。私は元から立つ気でいたからいいけど、おそらく乗客は増えこそはすれ、減ることはないだろう。隣は特急「うずしお11号」徳島行き。

津島ノ宮には例大祭の2日間だけ普通列車が停車するのだけど、始発から最終まですべての列車が停まるわけではなく、早朝深夜の時間帯にかかる列車は停車しない。また、2日目は夕方前には「最終」が出てしまう。

8/4津島ノ宮駅時刻表

ちなみに駅でもらった時刻表によると4日は夜に花火を上げたりするので比較的遅くまで停まってくれるけど、

8/5津島ノ宮駅時刻表

2日目の5日ともなると半減し早々と「店じまい」してしまう。急に思い立ったにしても、もう少し早く出られなかったのかと思ってしまう。予定では15時の列車で帰ることにしている。

瀬戸内海

多度津を過ぎ、海岸寺を出ると見られる瀬戸内海。海にぴったり寄り添って走るこの区間は私にとって予讃線で好きな車窓風景の一つとなっている。

津島と津島橋

津島とそこへ渡る津島橋が見えてきた。

津島ノ宮駅

若干遅れて津島ノ宮に着いた。この乗り降りでさらに遅れが増幅しそう。それにしても、こんなに利用客があるとは思わなかった。となると、このあとの展開は何となく読めてくる。

津島ノ宮駅名標

駅名標。

記念駅名標

裏に回ると2日間のみ設置される記念駅名標がある。日本一営業時間が短いJR駅と添えられている。たしかにこれは初見だ。

津島ノ宮駅

津島ノ宮駅。プレハブ造りで暑そう。列車が出た後なので、人はあまり多くない。この駅は1915年(大正4年)に仮乗降場として開業している。しかも、予讃線の多度津-観音寺間の開業が1913年(大正2年)なので、わずか2年後のことだ。てっきり昭和以降の開業と思っていたから驚いたが、それほど厚く信仰があったということなのだろう。そして1969年(昭和44年)に臨時駅に格上げされて現在に至る。駅の設置理由が特殊なため、海岸寺-詫間間の単線の路線上に設けられた1面1線の棒線駅となっている。ただ、神社の目の前という立地はいいが、カーブ上にあるため乗降には注意が必要だ。また、乗降口の箇所だけコンクリートのタイルが敷かれているけど、それ以外は土がむき出しになっていて、その辺りは臨時感がある。

津島ノ宮→高松

乗る段になってバタバタしてもいけないので帰りの切符も買っておく。車内で発行されるレシートタイプのものだ。これは時間が経つと印字が消えていくので好ましくないけど、これしかないのなら仕方がない。でも、こちらには行きと違って津島ノ宮の前に「臨」の文字が入っているので消えてほしくない。これも後で記念にいただきました。

県道と直結

踏切を渡った駅の反対側には歩道があり、これは香川県道21号と繋がっていて(写真の左側)、その向こうに駐車場があり、車の人はそこに停めて参拝している。

蓮

こんな立派な蓮の葉があった。大きな白い花が一輪、まだつぼみだけど、一輪だけにひときわ目立っている。向こうに見える山は黒戸山。

駅の紹介だけで終わってしまった。「四国小回り」でもそうだ。いつものことと諦めてお付き合いください。今回はこんなところで。