雪とローカル鉄道 その29(奈良井宿④ー上町界隈)
奈良井宿は下町、中町を経て上町へ来た。これはやっぱり京都側が上ということなのだろう。当時は京から江戸へは「東下り」とか「下向」とか言っていましたからね。

中町と上町の間にある荒沢不動尊。鳥居がきれいだ。いつ創建されたかとか縁起は分からない。

鍵の手にある水場。奈良井宿にはところどころに水場があり、地元の人はもちろん、中山道を行き交った旅人も利用していたという。今はさすがにそのままでは飲めず、一旦煮沸してから使用するようにと書かれてある。私はこれを読まずに最初の水場で出てくる水を飲んでしまった。でも、今なお何ともないので、まぁ大丈夫です。
鍵の手または鈎の手と呼ばれるこの場所は枡形になっている。お城や城下町などでよく見られる敵を容易に進入させないためのクランク状の道だ。こういう街道にもあるんですね。中山道は五街道のひとつ、主要な街道なので、整備も行き届いていたことだろう。それゆえ敵も進軍しやすくなる。それでは幕府も困るので、こういう枡形を設けたということなのだろう。

そういえば、ここまで蕎麦屋が何軒もあった。

氷柱がすごい。

では、上町を歩いてみよう。ただでさえ、平日で人通りが少ない上に駅からだんだん遠ざかっているので、人もだんだん少なくなっている。

振り返ってみる。

資料館・中村屋。元は塗櫛の商家で、幕末の1843(天保14)年に建てられたと見られる。

この看板も当時のもの。これらは時代劇のセットではない、見るものほとんどが当時のままの本物だ。

「あかいくまさん」というピザ屋さん。とてもピザを焼くような店には見えない。

江戸時代の奈良井宿にあって、ここだけ明治大正の石造りの建物がある。これは旧奈良井診療所といい、昭和初期に建てられた。でも、今は空き家になっている。

仕事とはいえ、トラックが停まっているのが観光的には残念だけど、これは奈良井宿民芸会館という土産店。

蕎麦屋と手焼きせんべいの店。

観音堂という屋号だけど、定休日ということもあって何屋さんか分からない。でも、雰囲気はいい。喫茶店なら入ってコーヒーとスイーツを食したい。

高札場。全部当時のもの。こうして残っているのがいいですね。

これが最後の水場。

氷柱もすごいけど、蛇口もすごいことになっている。ミニ氷瀑といったところか。
下町から上町まで歩いてきた。くまなく歩いてきたと思われるかもしれないけど、実は5つあるお寺は回っていない。いずれも街道から西に入ったところにあり、雪も積もっていそうだったので行かなかったのだ。時間的に回れないわけはないのだけど、ゆっくり歩き、たびたび立ち止まりを繰り返したので、時間が押すばかりとなった。おまけに巨大なカバンを持ったままという機動力のなさも災いした。到着したときに宿に預けられればよかったけど、こればかりは仕方がない。
今回はこんなところで。







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