令和7年大相撲春場所新番付
ずいぶん久しぶりの投稿になります。ネタが渋滞しているのに1月中旬以降投稿できない状態がずっと続き、最後の投稿が2月6日と3週間ちかく前だったけど、ようやくパソコンに向かうことができました。すみません、これからは投稿を続けられるよう励みます。では。
2月25日、春場所の新番付が発表された。照ノ富士が引退し、入れ替わるように豊昇龍が横綱に昇進した。ひと場所待って今場所の成績でと私は前回記事で書いたけど、そういう不安を払拭してほしい。もっとも、おじさんのようになってもらっても困るのだけど。
というわけで、一人横綱で東に豊昇龍。大関は東・大の里、西・琴櫻となった。大の里はもう少し勝ってもいい。10勝では物足りない。右からの攻めは強く、他を圧倒するものの、上背がある分、腰高になりやすい。もっと腰を落とせば、さらに安定感が増す。今場所は攻め急いだ相撲も散見され、もう少し落ち着いて取ればと思う。一方の琴櫻は調子のいいときはぽんぽん勝つけど、一旦崩れるともろいという印象を与えてしまった。修正能力という点でいうと大の里は秀でている。先場所の決定戦を見ても分かる通り、集中力や運動神経は豊昇龍だろう。琴櫻はまだ素質で取っている感じだろうか。大関までなら素質でなれるとはよく言われるが、それに甘んじることなく上を目指してほしい。
関脇は東・大栄翔、西・王鵬となった。大栄翔は得意の突き押しがよく勝ち星を伸ばした。現在5場所連続三役にいて、ここ数年は平幕より三役の在位のほうが多いけど、三役での二桁勝ち星が少ないので、なかなか大関になれない。突き押し力士の宿命でもある。王鵬はついに三役に昇進した。このところ、上位に定着していたからいずれと思っていたけど、まだかまだかと思っていた熱海富士より先に上がった。最近は突きを交えた攻めが多く見られ、左四つでも取れるので、相手によって攻め口を変えているように見える。これでお父さんの貴闘力に肩を並べた。おじいさんの大鵬に並べるか?
小結は東・霧島、西・阿炎。霧島は西の筆頭で11勝をあげて小結復帰。3連敗スタートで心配したけど、徐々に安定感を発揮して4日目から10連勝。これこそが霧島だ。近頃はこの好調が維持できないので私たちをやきもきさせる。今場所はどうだろうか?阿炎は7勝4敗から4連敗で負け越し。もろ手突きの腕がよく伸びていて2桁くらい勝つのではと思っていただけに残念だった。幸いなのは先場所の東小結から西に回っただけで済んだこと。平幕から上がってくる力士との兼ね合いでどうなるかと思ったけど、運がよかった。でも、7勝なら東から西に回るのはよくあることだ。
平幕上位は筆頭に東・若隆景、西・若元春の兄弟が座った。ともに三役からの陥落で本人たちは面白くないだろう。若隆景は7勝からの連敗で、若元春は2日目からの7連敗が響いて、ともに負け越しと不本意な場所に終わった。若隆景は上体に力入りすぎていたのか前にばったり落ちる相撲が目立った。一方の若元春は攻めるのだけど、決め手に欠いて勝ち星が伸びなかった。今場所は巻き返しを図る。東2枚目の豪ノ山は自己最高位。先場所のような粘っこい押しが発揮されれば三役も狙える。西2枚目の千代翔馬、西4枚目の一山本もまた自己最高位に上がってきた。千代翔馬は得意の投げが決まり、初日から7連勝したのが大きかった。中盤から終盤にかけて上位との対戦が続いて9勝に終わったけど、ベテランの域に入っての自己最高位は格別だろう。一山本は平幕の中位と下位を行ったり来たりしていたけど、ようやくここまで上がってきた。阿炎とよく似た取り口で、四つでも相撲が取れるので、初の上位戦が楽しみだ。先場所、豊昇龍、王鵬とともに優勝決定戦に出場した金峰山は西5枚目に躍進した。首に不安はあるものの、あの押しは強烈であり、脅威でもある。
平幕中位は西6枚目に尊富士、東9枚目に伯桜鵬が名を連ねた。ともに華々しかった親入幕場所の翌場所が怪我で休場してようやく戻ってきた二人。今後は怪我することなく、本領を発揮して上位を目指してほしい。西7枚目の玉鷲は先場所、初の40歳2桁勝利はならなかったけど、少しずつ番付を上げてここまで戻ってきた。玉鷲がこの地位にいるのは久しぶりのような気がする。頑張ってほしいのは東8枚目の熱海富士だ。この1年ほどずっと前頭筆頭から3枚目あたりを上下していたけど、先場所は5勝と大負けしてしまい、ここまで落ちた。今場所は攻めが軽かったように思う。踏み込みも甘かった。三役を狙うにはもう少し攻めを厳しくしなければならないと感じた。
平幕下位はちょっと面白いと思ったのは東11、12、13枚目が翠富士、宝富士、錦富士と伊勢ケ浜勢が並んだことだ。みんなタイプが違っていて、見ていて面白いけど、この地位でいるような力士ではないだろう。翠富士は先場所、2日目から7連敗して後がなくなり、そこから6連勝して7勝7敗までこぎつけながら千秋楽で負け越し。宝富士は4連敗からの4連勝で持ち直したが、そこから1勝6敗で5勝止まりで、先場所は粘りがなかった。その中にあって、錦富士は下からの攻めがよく、後半星を伸ばして9勝と東17枚目から巻き返した。心配なのは宝富士だ。最近諦めが早いというか、粘りがないというか、もう大ベテラン、なかなか昔のようにはいかなくなっているのだろう。
あと、新入幕は元関脇・安美錦の安治川親方の弟子で、2人目のウクライナ出身の安青錦(あおにしき)をはじめ、再入幕が5人という大盤振る舞い?となった。が、落ちる人数分上がるので大盤振る舞いという表現は当たらない。西13枚目・初のウクライナ出身幕内力士である獅司は2場所ぶりの幕内で、十両優勝で戻ってきた。これでウクライナ出身の幕内力士は2人となる。嬉しいのは西15枚目の佐田の海が1場所で戻ってきたことだ。もう幕内で勝ち越すのも厳しいかもしれないが、玉鷲も宝富士もいるので頑張ってほしい。
今場所は東18枚目が存在するのも面白い点。幕内定員は42名なので、東西の横綱から順に下っていくと西17枚目で定員ということになる。でも、横綱は1人しかいないので、その空白を東18枚目で埋めるということになる。そこに入ったのが先場所7勝8敗だった時疾風だ。先場所が西17枚目だったので2場所連続で幕尻に据えられるわけだけど、逆に言えば、東18枚目のおかげで幕内に残れたとも言える。これは阿炎の場合と似てなくもない。
とまぁ、話題に事欠かない楽しい場所になりそうだ。みんなが持ち味を出して場所を盛り上げれば、自然と面白くなる。初日は3月9日、大阪府立体育館で行われる。今回はこんなところで。
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