どこへ乗りに行こうか…北海道編
私の旅は乗りたい列車、乗りたい路線が優先される。それからその沿線にある観光地だとか名所を巡るという形になる。普通の人は行先を決めてから交通手段や行程を煮詰めていくので、何とも本末転倒な話である。
でも、いくら鉄道が好きでも乗るだけで終わるのは面白くない。学生時代は鉄道に乗ることしか考えなかったが、さすがに今はそんなことはしない。それで満足という人もおられるかもしれないが、乗るだけの旅で終わらせるのは実にもったいない。
では、どこがいいか?今回は北海道を見てみよう。
今はなき、寝台特急「北斗星」。
北海道はどの路線というのはなく全線乗りたい。最終的に札幌近郊以外は残らないのではないかという状況なので、全て鈍行が望ましい。ちなみにそれを実行しようとしたら10日くらいかかる。北海道へは何年かに1回は行っており、学生時代から数えて10回以上は訪れているのに、当然ながら行けていないところのほうが多い。長いこと行っていないところももちろん多い。過去に行ったことのあるところも含みます。
特に網走エリアは新婚旅行以来20年以上行っていない。流氷は未だ見たことがないから、砕氷船のガリンコ号に乗って一度は見ておきたい。また、これは夏場になるが、釧網本線にある原生花園も行きたい。オホーツク海と濤沸湖(とうふつこ)に挟まれた細長い砂丘の上に季節の花々が咲く。サロマ湖や美幌峠、天都山も行きたい。知床は鉄道はないけど、知床五湖、カムイワッカの滝、オシンコシンの滝はぜひ訪れたい。
次いで長らく行っていないのは稚内だ。駅近くの稚内港防波堤ドーム、宗谷岬は必ず寄りたい。根室の納沙布岬と間違えそうなノシャップ岬、稚内公園も周りたい。あと、鉄道では行けないけど、船で利尻島、礼文島へも渡りたい。宗谷本線の終着近くの豊富辺りから稚内にかけての車窓風景もなかなかいい。
釧路エリアでは阿寒湖、屈斜路湖、摩周湖に釧路湿原だろうか。冬には鶴居村で多く見られるというタンチョウも見たい。根室では厚岸湖や納沙布岬だろう。厚岸湖は根室本線の列車から見られたはずだ。でも、ここの牡蠣を食べたいのでやっぱり降りなければならないようだ。野付半島近くの風蓮湖ハクチョウの飛来地というから冬には行ってみたい。納沙布岬から北方領土を見て日本の将来を考えるのもいいかもしれない。
釧路湿原。
旭川周辺だと上川から大雪山方面へ層雲峡がある。秋の紅葉を見てみたい。あと、富良野線の美瑛駅周辺の花畑。駅を中心に自転車で周れる範囲に数多くあるので、それを巡りたい。あと、美瑛川に白金青い池というのがあり、その名の通り水面が青い。写真で見た感じでは長野の上高地の大正池に似ている。富良野ではもちろんラベンダー畑もいい。逆サイドの留萌や増毛の日本海を眺めるのもいい。
新得付近。
帯広は駅周辺は特にないけど、然別湖や国鉄旧広尾線の愛国駅や幸福駅、帯広エリアにはならないかと思うが、足を延ばして襟裳岬もいい。逆に帯広から北の国鉄旧士幌線のタウシュベツ川橋梁も訪れたい。これはコンクリートアーチ橋で線内にいくつか残る橋のひとつである。この橋は特に貴重で、40年以上も放置され、風化により何とか形を留めているに過ぎない。夏場は橋が架けられている川の水面が上がって水没し、冬には水量が減って姿を現す。ただ、冬に行くのは大変なので、春から水没する前の6月までに行くしかなく、幻の橋と呼ばれている。新得や富良野付近の風景はカメラに収まり切らない壮大さがある。
道央…札幌辺りは特にありません。すみません。
小樽では小樽の街並み全体か。明治大正期の建物が多く残っているのがいい。ニシンで富を得たニシン御殿もある。小樽の街を流れる小樽運河は今でこそ観光スポットであるが、これこそ小樽繁栄の象徴だ。天狗山も小樽の街並みや日本海が眺められてよさそうだ。国鉄旧手宮線は北海道で初めて敷かれた鉄道で線路の跡が残っている。小樽市総合博物館は北海道の鉄道の歴史を紹介する施設で、車両の静態保存もしている。小樽は一度半日程度観光したことがある。でも、半日では到底足りず、1日は必要だと実感した。あと、積丹半島にある余市町もニッカウヰスキーの蒸留所があり、ロウソク岩があり、他にもニシンにまつわる遺構が残っており、行ってみたいところのひとつである。
室蘭付近では温泉のある洞爺湖や登別に魅かれる。室蘭には地球岬があり、ここからの太平洋を眺めたい。また、北海道有数の工業地域でもあるので、夜に見られる工場夜景も見てみたい。この他にも自然の景観が多いから合わせて見ておきたいものだ。
駒ケ岳と小沼。
道南では噴火湾(内浦湾)や駒ケ岳、羊蹄山、それから大沼・小沼は列車から見ることができるのが嬉しい。いずれもスケールが大きい。このうち、大沼・小沼は大沼公園で降りて自転車で回ったりもできるから、じっくり楽しむことができる。この辺だとやはり函館だろう。街並みはもちろん、函館山の夜景、五稜郭、湯の山温泉、恵山岬など見所は多い。国鉄未成線の戸井線も巡りたいところだ。あと、木古内や松前も訪れたい。特に松前は江戸幕府の松前藩が置かれた地であり、松前城もあれば、城下町も残る。
五稜郭。
函館の夜景。
ここまで観光地だけを書きましたが、食べ物は海の幸が豊富過ぎて困る。ウニ、カニ、ニシン、ホタテ、ホッケ、鮭、イクラ、牡蠣などなどどれも美味しい。でも、食べられる場所も季節も様々だから1回の旅では済みそうにない。
函館朝市の五色丼。
このように北海道は全線乗るだけでは収まらず、観光も食もたくさんありすぎるから1カ月くらいかけないと乗る旅と見る旅の両立はできない。しかも、時期の限られた観光地や食べ物もあるから何度か分けて行かないと制覇できない。あと、北海道の観光は函館付近を除けば、自然の織りなす景観が圧倒的に多いのが特徴だ。このスケールの大きさはさすが「でっかいどう、北海道」だ…これを知っているのは私の世代以上の年代の人だろう。私も歳を取りましたな。
長々と書きましたが、今回はこの辺で。
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