四国小回り その12
阿波川島に着いた。
乗ってきた列車。これは折り返し10時13分発の徳島行きになる。
島式ホームの待合室にあったのりば案内。これは明らかに国鉄時代からのものだろう。「あわ池田」というのがいい。最近、このような国鉄チックな文字はなくなりつつあるから貴重な存在だ。
相対式1、島式1の2面3線ということもあり、当駅止まりの区間列車が多く設定されている。徳島方面をのぞむ。3番のりばまであるのは徳島線ではこの駅だけだ。
こちらは阿波池田方面。こうして見ると、ホームの有効長がけっこう長い。山に吸い込まれていくような感じ。
吉野川市、もっと言えば旧川島町のシンボルはこの川島城だ。立派だけど、残念ながら模擬天守。行ってみたいところだけど、ちょっと時間が足りない。
島式ホームの中ほどにあるコンクリートで埋められた跡。これは跨線橋が設置される前の構内踏切の名残だろう。
1番線の端から駅全景をのぞむ。やはりホームが長い。長いホームの足元にかつての急行「よしの川」や「阿佐」の名前が残っていないか目を凝らして見てみたけど、乗車位置を示す「⑥」しか見当たらなかった。
阿波川島駅舎。開業当初は川嶋、途中神後(じんご)を経て阿波川島となる。徳島鉄道がまず鴨島まで開業し、半年後に阿波川島まで延伸された。その3か月後にはさらに延伸されたものの、一時的にでも終着駅になったことから広めの構内になっているのだろう。駅舎中央に見えるガラス戸はかつて入っていたJR四国直営のパン屋「ウィリーウィンキー」の跡。あまり時間はないけど、駅周辺を散策する。
ちょっと歩いてみよう。といっても、あと20分ほどしかないからゆっくりはできない。
駅前は比較的広く、駅横の駐車場は一部に石畳がある。これは昔何かあったのだろう。奥の駐車場部分が少し高くなっており、何か建っていたような気がしてならない。
案内板。合併する前からのものと思われる。
駅から西へ延びる道路を歩く。休日で閉まっているだけなのか、既に休廃業している店舗なのか分からないけど、シャッターの下りている店が目につく。でも、この書店兼文具店や夜営業するような居酒屋や割烹の店もあり、それなりに賑わいを見せているようだ。
先へ進むと小さなガードがあり、川島架道橋とある。徳島側のレンガが嬉しい。いかにも明治に建設された鉄道線といった趣きだ。
時計を見る。まだ15分ほどある。このまま駅へ戻るのも手持ち無沙汰になりそうなので、北に延びる道を歩いてみる。最近のマンホールのふたは地域のカラーが出ていていい。ついカメラに収める。
この石碑は何なんだろう。相当古そうだ。この道は狭く、東に向くと川島城が見えることからかつての街道なのかもしれない。調べてみると、この道は徳島県道244号なのだけど、すぐ近くを並走する国道192号から格下げされたとある。となると、かつての街道というのもあながち間違いではなさそうだ。
正面に川島城が見える。この道をまっすぐ行くと国道192号と交わり、川島城へとたどり着ける。この道の雰囲気はやっぱり街道だろうと思う。私はここで右に折れて駅に戻る。
奥に駅が見える。
上下列車が相次いで発着することもあり、駅は列車を待つ人で賑わっていた。
やって来たのは10時32分発の穴吹行きだ。1000形の1両編成で、この旅では初めての登場となる。これに乗って終点の穴吹まで行く。
今回はこんなところで。
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