四国小回り その14

穴吹駅名標

穴吹は徳島線の主要駅の一つだけど、意外にも島式ホーム1つの1面2線の駅だ。1914年(大正3年)の開業で藍の輸送で賑わったという。また、駅前にあるぶどう饅頭を販売する日乃出本店がホームで立ち売りをして好評を博した時代もあった。

徳島方面

これはホームの端から撮ったもので奥が徳島側だ。側線が島式ホームの線路の外側にそれぞれ1本ずつ配されている。が、その側線は錆びていて使われていないようだ。

穴吹駅全景

ここから振り返ってホーム全体を見る。

穴吹駅舎

ホームから駅舎。木造瓦葺きでありながら屋根の上に装飾が施されているのは、西洋を意識したいかにも戦前の建築といったところだろうか。こちらから見ても風格がある。

穴吹駅構内踏切

駅とホームの間は跨線橋ではなく、構内踏切で結ばれている。

穴吹駅全景

構内踏切付近からホームを眺める。なんとものどかな雰囲気だ。とても主要駅とは思えない。

阿波池田方面

阿波池田方面はすぐ迫ってくる山をかわすように抜けている。

穴吹駅のミニ庭園

構内踏切の脇にミニ庭園。池や燈篭はなく、岩が置かれている。その横のツツジはまだこれからのようだ。終わっていれば、いくつか萎れた花が残っているものだ。でも、まだ少ししか咲いていないということは、これから咲くサツキか?

駅舎内の様子

穴吹駅は有人駅であった。今やJR四国の有人駅は50ほどしかない。その中に列せられるのは誇ってもいいだろう。やっぱり駅員がいるとホッとする。

美馬市観光情報発信センター

元キヨスクのスペースっぽいところに「美馬市観光情報発信センター」がある。藍染や地酒のことなど美馬市の情報や歴史に触れられる施設だ。待合室の木のベンチがきれいで好もしい。

丸ポスト

外には丸ポスト。四角いポストが大半を占めることに対する反動か、懐古主義なのか丸ポストを以前にも増して見かけるようになった。

美馬市周辺観光案内図

観光案内図。

案内標識

こちらは案内標識。観光案内図でもお分かりの通り、このように駅チカで観光ができる場所はない。剣山や美馬は言うに及ばず、街並みも吉野川の北側の脇町になるから歩いていける距離ではない。穴吹川があるけど、これはキャンプとか川遊びをするところなので、鉄道旅にはそぐわない。そもそも国鉄の路線は国策で敷いた路線がほとんどであり、観光目的には敷かれていない。それに当時は蒸気機関車の煙が嫌がられて街中から遠ざけられたという事情もあるから主要駅=街の真ん中ではないことも多々ある。

穴吹駅舎

穴吹駅舎。上のような事情を抱えていても主要駅はやっぱり立派な構えをしている。国道192号から南に走る道と駅前の線路に沿う道が交わる三叉路の突き当りにある。

日乃出本店

ぶどう饅頭の日乃出本店。ぶどう饅頭はビー玉くらいの大きさをした紫の玉が串に5個並ぶかわいらしいお菓子だ。ちなみに朝通った三本松駅前にあるのはぶどう餅で、同じような紫の玉が4つ串に並んでいる。どちらも食したことがあるけど、双方美味しく、捨てがたい。これを左へ行けば吉野川が見られる。

旅館兼食堂

川へは出ずに線路沿いの道を歩く。昔はこちらが国道だったのだろうと思われるこの道には既に閉店や廃業して廃墟と化してはいるけど、食堂やら店舗やらが残っている。

イヅツヤ

こういう店舗跡も味わいがあっていい。

うだつを持つ元商家

その一方で、こういう風格ある建物もあり、昔栄えていた様子が窺える。

渦竜

穴吹到着前に見つけていたラーメン店。ここでちょっと早い昼食を摂る。

メニュー

メニューは豊富。

担々麺

私は店主おすすめだという担々麺にする。餃子もと思ったけど、次の列車の発車まで20分ほどしかないのでラーメン単品にした。駅でゆっくりしすぎるからだ。それにまだ吉野川も見ていない。ところで、私は担々麺を食べるのが初めてだ。辛いのは嫌いではないのだけど、これまでずっと食べずにきた。だから、ワクワク感があり、ドキドキ感もある。

当たり前だけど、辛い。麺をすするとむせそうだ。スープは辛いのに病みつきになりそうなタイプだ。汗をかきかき完食して店を出る。

合併前の自治体

合併前の自治体が分かる貴重な看板。新調せずにシールで間に合わせている感が強い。

ふれあい橋

駅前から踵を返して吉野川へ出る。その前に国道の信号待ちが長い。渡ったところからふれあい橋を撮る。

ふれあい橋

ふれあい橋は歩行者、自転車専用となっている。通行の邪魔にならないように途中数か所膨れたところがあって、そこで気兼ねなく川の流れを楽しむことができる。

国道193号と吉野川

ふれあい橋から見て徳島側に架かる赤い橋は国道193号で、高松から穴吹を経て海部へと抜ける国道だ。高松の方には空港通りとか塩江街道といえば分かるだろう。高松-穴吹間は10数年前まで徳島西部交通が路線バスを走らせていた。乗りたいと思っていたのだけど、乗る前になくなってしまった。また、穴吹から先は車で走るのが困難な「酷道」区間があり、ファンの間では有名になっている。

吉野川

逆に阿波池田方面の吉野川の表情。川幅が広く、満々と水を湛えている。

駅に戻るとさっき乗ってきた列車は11時15分発の徳島行きとなって既におらず、ホームはもぬけの殻だ。待合室にも人影はない。次は12時42分発の特急「剣山5号」か12時57分発の阿波池田行きまでないのだけど、特急に乗るのはせっかくの割安きっぷが使えないばかりか、別に乗車券と特急券を買わねばならずもったいない。かといって、次の鈍行ではその先が慌ただしい。で、何に乗るのかというと11時47分発の「藍よしのがわトロッコ」阿波池田行きだ。

藍よしのがわトロッコ指定席券

実は朝の高松駅で買っていた。当日の乗車で指定が残っているかどうか心配だったけど、無事買うことができた。「青春18きっぷ」と同じような性質の「四国再発見早トクきっぷ」なので、指定席券を買えば、このきっぷで乗車することができる。阿波池田までの約1時間は快速運転だけど、普通列車だと最速で40分ほど、特急で30分程度なので、トロッコが一番ゆっくり走る。この列車について何の予習もせずに乗り込むけど、せめて車窓風景を楽しもうと思う。こうして、穴吹まで来たけど、どこから乗りたくなってもいいように始発の徳島からの券を買っておいた。

今回はこんなところで。