四国小回り その23
讃岐財田を出る。
こうしてみると周りと比べて高いところを走っているのが分かる。
財田川を渡る。この川は観音寺へ流れていくのだけど、ここではまだ細い。
14時18分、築堤の上にある黒川に着く。周りは田んぼや集落を見下ろせる位置にあるのだけど、笹に覆われて高さが分かりにくい。
上の1枚前、ホームに入ったときの写真。これなら駅周辺の様子が分かるけど、画的には中央の白い箱が邪魔をしていて見苦しい。駅名標を撮るつもりだったんですが…。
黒川を過ぎると、家も田んぼも増えてきた。ゴールデンウィークなので、田植えの終わっている田んぼも散見される。
田んぼを見ながら14時23分に塩入に着く。相対式ホーム2つの2面2線の駅だ。池田方の駅舎側には広い土地があるので、そこに側線があったようだ。
下り線の1番線には阿波池田行き普通列車が我が列車を待っていた。あちらも1000形の1両編成だ。
塩入駅。駅舎の横、1番線の背後にミニ庭園が見える。駅前も広そう。写真には入っていないけど、銅像も立っている。それなりの「街」であることが分かる。
塩入を出てしばらくすると、田んぼの向こうに金比羅さんのある像頭山が見えてきた。もう琴平も近い。
さらに近づいてきた。像の頭というより座った像の形に似ていると思う。タイミングが悪くて中腹にある金毘羅さんの旭社は撮れなかった。
レールが増えてきて、
14時29分、琴平に着いた。琴平では3分停車する。高松発琴平行き普通列車の到着を待つためだ。
琴平は1889年(明治22年)、丸亀-多度津-琴平間に讃岐鉄道が開業した際に誕生した香川県最古の駅の一つだ。この区間が一番に開通したのは江戸時代から大衆の間に広まっていた金毘羅詣での参拝客を誘致するためだったのだろうと思う。丸亀や多度津を通るのは当時岡山の下津井や広島の尾道、福山とを結ぶ航路があったからだ。それらは近年まで残っていたけど、瀬戸大橋の開通以降は振るわず、いずれも廃止されてしまった。
3番線には岡山からやって来た観光列車、快速「ラ・マル ことひら」が停まっている。初代「マリンライナー」の213系電車を改造した2両編成だ。
ところで、時刻表によると「ラ・マル ことひら」の下りは12時ちょうどに到着、折り返し上りは15時20分に琴平を出ることになっている。まさか、3時間以上もの間、ホームをふさぐことはないとして、琴平に着いた後はどうするのだろう?側線に移動させるのか、それとも多度津辺りまで回送して、時間が来たら琴平に戻すのか。
帆船をイメージした洗面台と観光列車「四国まんなか千年ものがたり」の幟。洗面台は蒸気機関車の時代には必要だったから駅にはたいていあったけど、今や存在自体が珍しくなっているので、いつまでも残しておいてほしい。でも、よく見ると鏡はあるけど、蛇口はない。
改札口。金毘羅さんの丸金マークが並ぶ。
琴平の銘菓・灸まんの看板。
琴平の地酒・金陵の酒樽。金毘羅さんにも奉納されている。美味しいお酒です。
14時32分に出るとことでん琴平線を跨ぐ。
ことでん琴平駅前を流れる金倉川。この先、丸亀で瀬戸内海へと注ぐ。
麦がきれいに色づいている。そろそろ刈り取りの時期だ。
今年、弘法大師空海生誕1250年に沸く善通寺。善通寺は相対式1,島式1の2面3線ののりばと側線1本を持つ駅だ。ホームとホームの間は木造の跨線橋で結ばれている。
駅の北側には農協の倉庫へ側線が延びている。倉庫の壁には「仲多度たまねぎ」と「善通寺みかん」と書かれている。この側線は錆びていて今は使われていないけど、鉄道が陸上交通の主役だったころはここからこういった特産品が全国へ運ばれていたのだろう。
次の金蔵寺付近からのぞむ善通寺五岳。四国八十八箇所第七十五番札所の善通寺は正式には五岳山誕生院善通寺という。ちなみに一番右の山は天霧山のようで、善通寺五岳には数えられない。写真中央から左にかわいらしい山々が見えているのがそう。
左から来た予讃線に寄り添うように走る。
側線が多い。7200系が数編成で佇んでいる。車庫にはこの春引退したディーゼル機関車・DE10が停車している。これでJR四国が保有する機関車はなくなった。何かあって自走できなくなったときは他の車両を現場へ向かわせて牽引するという。そういうのを担うのが機関車ではないのかと思うけど、昭和46年製というからデビューから50年余、引退は致し方ない。
これは8年前に家の近くを走っていたところを撮ったもの。客車列車も貨物列車も牽くことはなくなり、晩年はもっぱらレール運搬車両を牽いて、夜間のレール交換作業に従事したり、故障が発生した場合の救援に駆け付けたりと地味な役回りが多かった。
給水塔が見えてきて、
14時46分、多度津に到着する。これで朝の髙松から続いたディーゼルカーの旅は終わりだ。
乗り換えまで少し時間があるので、多度津駅を見て回ろうと思う。今回はこんなところで。
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