どこへ行こうか 甲信越編1

2022年7月1日

まずは山梨県から。

やっぱり世界遺産の富士山だろう。静岡県とともに富士山を擁する山梨県は富士山だけではなく、その周辺にも様々な観光地がある。私は高校の修学旅行で長野→山梨→静岡と巡っていて、山梨県では富士山の五合目までバスで登ったり、富士急ハイランドで遊んだりしている。泊まったのは河口湖の近くで、湖の向こうに聳える富士の姿に息を飲んだ。その頃の写真がないのは残念だが、富士急行で河口湖まで行って30数年ぶりの再会もいいだろう。ちなみに五合目まで行ったときの感想はこんなに登ってもまだ半分なのかと思ったことだ。

他には山中湖があり、富士の伏流水が湧き出て8つの池ができた忍野八海もあって富士山の周りだけで十分楽しめる。忍野八海は浅間神社や医王寺など古い神社仏閣もあり、富士信仰の歴史に触れることもできる。また、山中湖からも忍野八海からも富士山が見られる。この辺りの観光地はたいてい富士山が見えるので、いわゆる「ばえる」写真を撮るにはもってこいの場所であろう。富士スバルラインで五合目へ登る手前にある青木ヶ原樹海の富岳風穴と鳴沢氷穴は常に氷に覆われており、年中3~5度程度の気温に保たれているので、真夏でも上着は必須だ。神秘的な氷の世界はぜひ体感したい。

他に富士急沿線だと山梨県立リニア見学センターがある。2037年開業予定のリニアモーターカーの実験線で、将来はこの路線がそのまま営業線の一部となるのだが、なんといっても時速500キロを目の前で見られるのだから一見の価値はある。また、見るだけではなく乗ることもできる。もっとも、抽選があって、それに当たればの話である。他にも新倉富士浅間神社や新倉山浅間神社もあり、見どころ満載だ。

大月から少し東京方面へ戻ると奇矯・猿橋がある。中央本線の猿橋から約2キロの相模川から名を変えた桂川に架かる木橋で、日本三奇矯のひとつである。テレビで観たことがあるけど、橋脚がなく、どうやればこういう構造になるのかと思うような橋で、見るのも渡るのも面白そうである。

次は甲府エリアをみていこう。甲府の駅を降りると駅のすぐ近くに甲府城がある。中央東線は大好きな線で何度も通っているのに甲府城を訪れたことがない。アイキャッチ画像は甲府駅前におわす武田信玄公ではあるが、このときは観光をしたわけではなく、乗り換えの短い時間で駅から出ただけだから、この銅像と駅舎しか撮っていない。

甲府城は武田氏の城ではなく、小田原合戦以降に秀吉によって築かれたもので、当初は東国の家康への睨み、のちに江戸幕府が開かれてからは徳川親藩の居城となった。天守はなかったようで、今は堀と石垣だけとなっているけど、散策してみたい。

武田氏の居城は躑躅ヶ崎館(つつじがさきやかた)で、今の武田神社になる。祭神はもちろん信玄で、甲府駅からバスで行くことができるので、ここも行ってみたい。信長以降に見られる城ではなく、砦というか館というかといった建造物であったが、周囲には堀もあり、防衛機能も有していた。背後には詰城として要害山城もあるけど、さすがにこれは登れない。

ちょっと大月方面に戻るけど、甲斐善光寺もお参りしたい。信玄が川中島の合戦に際して長野の善光寺が消失することを恐れて、甲斐国に創建したものだ。朱塗りの本堂は美しく荘厳でもある。中央本線の酒折か身延線の善光寺から歩いて行ける。

身延方面だと日蓮宗の総本山・久遠寺だろう。本堂や五重塔があり、風格を備える。身延山ロープウェイで身延山を登ると奥之院があり、あわせてお参りしたい。近くに下部温泉もあり、身延観光の後はここで泊まるのもよさそうだ。

面白いところでは、中央本線の石和(いさわ)温泉近くに桔梗信玄餅テーマパークなるものがある。信玄餅を作っている工場で、見学ができるだけではなく、袋の詰め放題ができたり、カフェがあったりと家族で楽しめる。信玄餅は美味しいから買って帰りたい土産物の一つだ。

甲府から北西へ向かうと小淵沢がある。そこから車で15分ほどのところにサントリーの白州蒸留所がある。サントリーウイスキーの白州がここで製造されており、工場見学や試飲が楽しめる。バーやレストランも併設されているので、ウイスキー好きにはたまらない。また、サントリー天然水南アルプス白州工場も同じ敷地内にあり、子どもも工場見学ができ、水について勉強もできるから家族で行くのもよさそう。小淵沢駅前からシャトルバスが出ているので、列車で来た人にもお勧めだ。

こういう体験型でいうと、山梨は果物、特にブドウと桃が有名だ。中央本線に乗っていて、甲府盆地に差し掛かるとブドウの棚や桃の木をよく見かける。それらを栽培する農園では時期が来るとブドウ狩り、桃狩りを行っている。たくさん持って帰ることができるし、試食もできるから大人から子どもまで楽しめる。

小淵沢は北に八ヶ岳、南は南アルプスに挟まれた場所にあり、駅の標高が900メートルに近い。だから、夏などはちょっと涼しい。ここには一度泊まったことがあり、また、乗り換えでときどき降りているので愛着がある。でも、観光をしたことがない。駅の近くには湧水のある大滝神社やゆずがライブを行ったという身曾岐(みそぎ)神社があり、訪れてみたいものである。洋菓子好きにはその近くにシャトレーゼの白州工場もある。

そして、小淵沢から分岐する小海線沿線にもいろいろとある。甲斐小泉近くに三分一湧水がある。これは戦国時代に水争いをしていたこの付近の村に水が均等に行き渡るよう信玄が設けた施設である。さすが治水に秀でた武将だと感心させられるが、現地で見てみたいものだ。

清里では駅周辺にレンタサイクルがあるので、春はツツジ、夏はヒマワリが有名で、大門川には滝もあるので、それらを自転車で回りたい。また少し離れるけど、美し森展望台やさらにその向こうにあるサンメドウズ清里からリフトで上った標高1900メートルのところに清里テラスがある。いずれも雄大な景色が見られるので、清里へ行けば抑えておきたいところだ。

温泉は先に出た石和温泉や下部温泉の他に河口湖温泉、塩山温泉、駅チカだと甲府温泉などがある。下部温泉のように信玄の隠し湯と呼ばれる温泉も県内に点在しているので、それらを巡るのもいいだろう。

グルメはほうとうや富士吉田の吉田うどんがよく知られるところだ。先述の桃やブドウ。ブドウから勝沼ワインもある。甲州ワインビーフや富士桜ポークといった肉類も捨てがたい。小淵沢では蕎麦が美味しそうだし、清里だとソフトクリームだろう。

山梨県は高い山々に囲まれた場所にあるので水は豊富だ。ウイスキーもだが、たくさんの酒造会社があり、しかも美味しいと聞く。でも、残念ながら山梨の地酒は飲んだことがない。ぜひ行かねば。

山梨もいろいろありますね、ホント、行かないとですね。今回はこんなところで。