令和8年大相撲夏場所 新番付
4月27日、夏場所の新番付が発表されたので、さっそく見てみよう。
横綱はここ数場所影が薄い。先場所も東の豊昇龍が11勝、西の大の里が初日から3連敗して休場と存在感を示せていない。2人とも怪我を抱えているから本来の力が出せないというのは分かる。が、怪我とうまく付き合わないとこの先も厳しいだろう。豊昇龍は未だ横綱としての優勝がないのでそろそろ横審から何か言われそう。大の里にしても、何場所もこんな調子だと批判は免れないだろう。奮起を促したい。横綱に言うことではないんですがね。
大関は東・琴櫻、西・安青錦、東2・霧島となった。琴櫻は復調の兆しか、優勝した令和6年九州場所以来の2桁勝ち星。これが続くようだとまだ期待が持てるが、また8勝止まりだと「やっぱりな」になってしまう。前へ出る圧力は横綱も圧倒するほどなのだから、もっと前へ出る相撲を取ればいい。そうすれば自然と2桁が見えてくる。安青錦はまさかの負け越し、カド番になった。大相撲の世界に入って初めての挫折だろう。綱取りに失敗しても負け越すなど考えてもみなかった。安青錦も人間だったということだろう。ただ、先場所中、足の小指の付け根を骨折していたとのことなので心配だ。今場所は勝ち越しを目標に置けばいいと思う。足の指の骨折といえば、栃ノ心を思い出す。新大関場所で骨折したのが響いて在位7場所で勝ち越し2場所というまったく活躍ができないまま大関陥落。その後、現役を4年続けたが、最後は十両で引退と寂しい結果に終わった。そういうのを見ているだけに大いに気になるのだ。最後に霧島。ここ3場所は攻めが速く、前さばきもよかった。霧島らしい相撲が見られている。で、3回目の優勝をもって大関復帰。が、どんな成績を収めても末席になるという。こちらも巡業で怪我が再発したというニュースを聞いたので、またか?と心配になる。
関脇はともに初めての東・熱海富士と西・琴勝峰が座った。熱海富士は先場所新小結で9勝して、今場所新関脇に昇進した。先場所は攻めが厳しかった。以前なら簡単に諦めていたのが、粘り強く攻めていた印象だ。数年前から幕内上位に居たので上位戦は不慣れでないのも幸いしただろう。琴勝峰は優勝した去年の名古屋以来の2桁勝ち星と最後まで優勝争いに絡んだこともあり、東5枚目から一気に小結を飛び越えて昇進した。こちらも積極的な相撲が目立った。よく攻めていた。ムラッ気のある性格には見えないけど、相撲はいいときと悪いときの差が激しく、成績が安定しない。初優勝から2場所連続で負け越したのもその表れだろう。攻めるより攻め込まれるほうが多く、これでは勝てない。攻めることを常としてほしい。
小結は東・若隆景、西・高安となった。若隆景は先場所、東筆頭で8勝6敗1休で小結復帰。ただ、場所中ずっと肘にサポーターを巻いていた。上腕と肘を傷めていたからだけど、前半は3勝5敗と調子はいまひとつ。それでも厳しい相撲で後半は5連勝して勝ち越した。そこが限界だったのだろう、翌日から休場した。相撲を取り終える度に顔をしかめていたから相当痛かったものと思われる。相撲が取れるのか心配だ。先場所の高安は7日目まで6勝1敗と絶好調だったのに中日から7連敗で負け越し。千秋楽に勝って7勝に留めたのが大きく、小結への降下にとどまった。腰の痛みが再発したのだろうか?2人の小結は活躍できるか気になる。
上位陣は心配な力士であふれている。で、つづいて平幕は上位から。
東筆頭は藤ノ川、東2枚目に義ノ富士、東3枚目に平戸海、西3枚目に王鵬と若手が並ぶ。藤ノ川は8勝、他の3人は7勝とみんなこの地位に居てこの成績を残せるのは力がある証拠だ。藤ノ川は小さくても真っ向勝負で前へ出る相撲が魅力的だ。義ノ富士と王鵬は体が起きない安青錦を起こして圧倒するし、平戸海はとにかくがむしゃらだ。面白いのは東西の3枚目の2人はともに先場所と同じに留め置かれた珍しいケース。一緒に4枚目に落ちなかった。この強運を今場所に活かせるか。東4枚目の大栄翔も7勝で同じ地位にとどまっている。他には西筆頭に隆の勝が戻り、西2枚目の一山本が続く。ともにベテランだけど、元気なところを見せてほしい。一山本の殊勲のインタビューなど見ていてこちらも微笑んでしまう。西4枚目の豪ノ山は下位に落ちていたけど、優勝争いに絡んで10勝して戻ってきた。本来はこの地位にいなければいけない力士だ。先場所冴えた押しで今場所は上位を喰ってほしい。東5枚目は東の若元春が心配だ。先場所は小結でわずか3勝しかできなかった。サポーターやテーピングは見られなかったけど、どこか傷めていたのだろう。どこまで復調しているか気になる。前さばき、おっつけが身上の速い相撲を見たい。西5枚目は正代。5枚目以内は去年の九州以来3場所ぶり。相変わらずのマイペースの取り口だけど、それが正代らしい。大関時代はもっとしっかりと思ったけど、今は相撲を楽しんでいるように見える。
中位は西の6~8枚目に藤青雲、朝紅龍、朝白龍と下位にいた若手が上がってきたので楽しみ。下位と中位、ほんの何枚かの差であり、入れ替わりもあるから顔触れも同じようなものだけど、地位に応じたその力の差は大きい。もちろん、これは中位と上位でも同じことが言える。これまで下位にいた彼らがこの地位でどのくらい勝てるか見ものだ。東9枚目の阿炎は大丈夫だろうか?先場所は腰を傷めて序盤から不調で途中休場。しかし、9日目に再出場してからは4勝3敗と「勝ち越し」た。おかげで4枚の降下で済んだ。復帰してからの相撲は阿炎らしい伸びのある突き押しだったので、怪我さえ癒えていれば活躍できるのではないか。ここ最近毎場所触れている青森県出身の幕内力士の在位記録のかかる錦富士は西9枚目に番付を上げた。下からの攻め、粘りの相撲がよかった。今場所も勝ち越して自己最高位(前頭3枚目)を更新してほしい。西10枚目の伯乃富士も阿炎と同じく途中休場後、再出場した。ただ、伯乃富士の場合は場所中の怪我で2日目から休場して7日目に再出場。こちらも5勝4敗と「勝ち越し」た。阿炎と伯乃富士はあのまま休場していたら1勝もしていなかったので十両落ちは確実で、再出場は吉と出た。伯乃富士にも期待だ。東10枚目の朝乃山は去年の秋と九州、十両で連続12勝して幕内に復帰した。元大関、そのままの勢いで駆け上がるかと思いきや、9勝、8勝と思いのほか星が伸びない。膝の怪我の影響もあるのだろうが、これもまた十両と幕内との差なのだろうか。それとも年齢的なものなのか。不祥事の謹慎明けから復帰したときはどこも傷めていなかったし、若かったから勝てていたけど、今回は膝を傷めて番付を下げてからの復帰だから厳しい。幕内の地位を守りつつ、たまに三役に上がる程度にとどまるのだろう。
下位はまず新入幕の東16枚目・若ノ勝だ。元大関貴景勝の湊川親方が部屋を継承して初めての幕内力士なだけに期待も大きい。十両の相撲をほとんど見ないからどんな相撲を取るのかは分からない。身長体重は平均より少し小さい。突き押しを得意としており、親方のような相撲が取れるか楽しみだ。西16枚目には竜電が再入幕を果たした。最近は下位にいることが多く、十両との間を行ったり来たりを繰り返している。最近は上位に顔を見せていおらず、徐々に力が衰えているのかもしれない。この地位では東13枚目の琴栄峰に期待だ。兄の琴勝峰が新関脇に昇進して、刺激を受けているに違いない。琴勝峰が優勝したとき、琴栄峰が新入幕だった。それが刺激になったのではないかと言われているが、兄弟刺激し合って切磋琢磨するのは見ていて楽しい。先場所はその新入幕以来の幕内で初めて勝ち越した。高い、美しい四股で人気だけど、相撲でも人気者になってほしい。あと、気になるのが西13枚目の玉鷲と東15枚目の翔猿だ。ここ数場所負け越し続きでここまで落ちてきた。もう勝ち越さないと十両に落ちてしまう。負け越したとしても5勝ないし6勝はしないと幕内の地位は危うい。ともに持ち味が発揮し切れていない。衰えか?翔猿は足を傷めてから動きに精彩を欠いているし、玉鷲は突き切れておらず、強引ともいえる小手投げも繰り出す前に土俵を割っている。いずれにせよ、勝ち越しを目指して頑張ってほしい。
ざっと上から見てきましたが、今場所も話題は豊富。どの力士も頑張れって感じですね。ただ肝心の横綱大関陣が心配。2横綱3大関もいて混戦になるのは勘弁してほしい。それでは看板倒れだ。
そうならないよう願うばかりです。今回はこんなところで。





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